お金を増やす(資産運用の基本)

銀がまた下がったので指値を並べた|暴落時に我が家が考えていること

「ねえ、ニュースで『金とか銀が歴史的な暴落』って騒いでるけど……うちの積み立て、大丈夫なの!?」

朝のコーヒーを飲んでいた私のスマホを覗き込みながら、妻(ママ)が少し険しい顔で聞いてきました。画面に映っていたのは、無残にも右肩下がりを描く銀ETFのチャートと、真っ青になった評価損益の数字。

「あ、ああ……大丈夫、大丈夫。これは想定内だから(冷や汗)」

平静を装って答えた私(パパ)ですが、内心はバクバクでした。
新NISAのスタートをきっかけに投資を始め、「インフレ対策には実物資産だ!」「これからは銀の時代が来る!」と意気込んで金や銀のETF、さらには少しのビットコインにも手を出した私たち。順調に含み益が増えていた頃は「投資って楽しいな」と夫婦で笑い合っていたのですが、いざ暴落が始まると、その余裕は一瞬で吹き飛びました。

「もっと下がるんじゃないか」「今すぐ損切りした方がいいのか」「でも、本当は安く買えるチャンスなんじゃないか……」

投資信託のコツコツ積立には慣れていても、ボラティリティ(価格変動)の激しいコモディティ(商品)の暴落には全く慣れていなかったのです。

この記事は、よくある「銀投資の基礎知識」や「プロが教えるスマートな投資法」のような教科書ではありません。現在進行形でガッツリと含み損を抱え、妻からのプレッシャーに耐えながらも、なんとか冷静さを保とうと必死に「指値」を並べている、いち個人の生々しい記録です。

「また下がった……どうしよう」と不安になっているあなたへ。
我が家の恥ずかしい失敗や、現在のリアルな保有状況、そしてなけなしの追加資金でどう戦おうとしているのかを全て公開します。一緒にこの暴落を乗り越え、パニックになる側から「暴落を利用できる側」へと成長するためのヒントになれば幸いです。

銀が下がると想像以上にメンタルにくる

投資の世界では「暴落はバーゲンセール」なんて耳障りの良い言葉が飛び交いますが、いざ自分の資産が目減りしていくのを目の当たりにすると、そんな綺麗事は吹っ飛びます。まずは、銀の価格が下がった時に私たちがどんな心理状態に陥ったのか、そのリアルな変化をお話しします。

含み益が消えると急に弱気になる

銀ETFを買い始めた当初、価格はスルスルと上昇していました。証券口座を開くたびに赤い数字(含み益)が増えていくのを見て、「自分は投資の才能があるのかもしれない」「インフレ対策として銀を選んだのは大正解だった」と、完全に有頂天になっていたのです。

しかし、急落は突然やってきました。
昨日まで輝いていた含み益が、たった数日でみるみる縮小し、あっという間にマイナス(含み損)へと転落。「えっ、嘘でしょ?」と何度も画面をリロードしましたが、現実は変わりません。

銀は金に比べて市場規模が小さく、工業用需要も大きいため、景気動向に敏感に反応して価格が乱高下しやすいという特徴(ボラティリティの高さ)があります。頭ではその知識を理解していたつもりでしたが、「実際に自分のお金が減っていく恐怖」は想像以上でした。あんなに強気だったのに、含み益が消えた途端、「やっぱり銀なんて手を出すんじゃなかったかな……」と急に弱気になってしまう。これが、暴落時のリアルな人間心理です。

ニュースを見るたびに不安になる妻の追及

さらに追い討ちをかけたのが、日々の経済ニュースです。
「金・銀価格が大幅下落」「仮想通貨も連れ安」といった見出しがネットやテレビで流れるたび、家計を握るママの不安はピークに達します。

「ちょっとパパ、また下がってるよ? 損切りしなくていいの? このままゼロになっちゃうことないよね!?」

直感派のママからの追及は、理屈派の私にとって非常に痛いところを突いてきます。「銀は歴史的な価値があるからゼロにはならないよ」「長期的に見れば……」と必死に説明するものの、現在のチャートがナイフのように突き刺さって下落している以上、説得力はありません。
夫婦で投資をしていると、一方が不安になった時に家庭内の空気が重くなります。特に、今回のような「慣れない資産の急落」は、お金そのものの損失以上に、精神的な疲労と家族間の摩擦という見えないコストを発生させるのだと痛感しました。

現在の我が家のポジションを大公開(冷や汗)

「偉そうなことを言っているお前は、一体いくらで銀を買ったんだ?」と思われていることでしょう。
ここでは、私がどれだけ見事に「高値掴み」をしてしまったのか、言い逃れのできない現在の保有ポジション(口座のリアルな数字)を赤裸々に公開します。

31,976円で25口、41,072円で57口の現実

Screenshot

現在、我が家が保有している銀ETF(純銀上場信託など)の購入履歴を振り返ると、自分でも目を覆いたくなります。

最初の購入は、まだ価格がそこまで過熱していなかった頃。「とりあえず試しに買ってみよう」と、31,976円で25口を購入しました。その後、価格はグングン上昇。ここで私の心の中に「もっと買っておけばよかった!」「今買わないと乗り遅れる!」という、投資家が最も陥りやすい『FOMO(取り残される恐怖)』が発動してしまったのです。

結果として、市場が最も熱狂していたタイミングで「ええい、いってしまえ!」と追加投資を決行。なんと、ほぼ天井に近い41,072円で57口も一気に買い増してしまいました。
客観的に見れば「典型的なジャンピングキャッチ(高値掴み)」です。「安い時に少し買い、高い時にたくさん買ってしまう」という、絶対にやってはいけない失敗を、まんまとやってのけたわけです。

平均取得単価は38,299円。この含み損とどう向き合うか

その結果、我が家の銀ETFのポジションは以下のようになりました。

  • 保有数量:82口
  • 平均取得単価:38,299円

現在、銀の価格はこの38,299円を大きく下回って推移しており、口座には立派な「含み損」が表示され続けています。

この状況に陥った時、投資家が取れる行動は主に3つあります。
1つ目は、恐怖に耐えきれず「損切り」して市場から撤退すること。
2つ目は、見なかったことにしてひたすら「放置(お祈り)」すること。
そして3つ目が、資金管理を見直し、下がったところで「買い増し(ナンピン)」をして平均取得単価を下げること。

かつての私なら、パニックになって底値で損切りし、後から反発するチャートを見てハンカチを噛んで悔しがっていたでしょう。しかし、ここで負けたまま終わるサルヂエファミリーではありません。
夫婦で話し合い、現在の家計から捻出できる「追加投資余力100万円」を武器に、この暴落をどう乗りこなすか、具体的な反撃のシナリオ(指値戦略)を練ることにしたのです。

追加資金100万円でどう戦うか夫婦で考えた

「じゃあ、口座に残ってるこの100万円を今の価格で全部つぎ込めば、高い平均単価(38,299円)も一気に下がるんじゃない?」

評価損益の真っ青なマイナスを見て焦ったママが、極端なナンピン(買い下がり)を提案してきました。確かに、一気に買えば平均単価は下がります。しかし、もしそこからさらに暴落したら……今度こそ資金が底をつき、身動きが取れなくなってしまいます。それこそが、過去の私が何度もやってしまった「安物買いの銭失い」ならぬ「焦り買いの致命傷」パターンです。

そこで今回は、なけなしの追加資金100万円を絶対に一括で投入せず、以下のように細かく「指値」を散らして防衛線を張ることにしました。

30,500円と30,000円に小刻みに指値を入れる理由

まずは、現在の価格から少し下がった「30,500円」と「30,000円」のラインに、それぞれ10口ずつの網を張りました。

なぜこんな中途半端なところに指値を置くのか? それは、「暴落中とはいえ、一直線に下がり続けるわけではない」からです。銀のようなボラティリティの高い相場では、下がっては少し反発し、また下がるという波を描きます。

「少し反発したところで買えなかった……」という小さな後悔が積み重なると、結局我慢できずに中途半端な高値で飛びついてしまうのが人間の心理(かつての私の実体験です)。だからこそ、まずは手の届きやすい現実的なラインに小刻みな指値を置き、「よし、まずは少しだけ安く拾えたぞ」という精神的な安心感を確保することを優先しました。

29,000円で追加、28,000円を本命にする防衛策

そして、本丸となる防衛線が「29,000円」と「28,000円」です。

もしニュースで「銀が歴史的な大暴落!」と大騒ぎされるような事態になれば、ここまで落ちてくる可能性は十分にあります。ママは「そんなに下がったらどうしよう」と怖がっていましたが、私は逆に「ここが最大のチャンスになる」と説得しました。

特に「28,000円」のラインは我が家の本命です。もしここまで落ちてきて買い増しが成立すれば、現在の高すぎる平均取得単価(38,299円)を劇的に引き下げることができます。
「ここまで下がっても、まだ買える資金(弾)がある」という事実が、暴落の恐怖を「待ち遠しい期待」へと変えてくれるのです。指値を並べ終えた時、夫婦の間に漂っていた悲壮感は少しだけ和らいでいました。

なぜ最安値(大底)だけを狙わないのか

「パパの理屈はわかったけど、どうせなら一番下がる28,000円までジッと待って、そこで100万円全部買えば一番お得じゃないの?」

指値の設定画面を見ながら、ママが至極もっともな疑問を口にしました。スーパーの特売なら、一番安い日にまとめ買いするのが大正解です。しかし、投資の世界でそれをやろうとすると、過去の私のように痛い目を見ることになります。

30,000円に届かず反発する可能性

投資において「一番底(最安値)」をピンポイントで当てることは、プロの投資家でも不可能です。
もし私たちが28,000円にしか指値を置いていなかった場合、どうなるでしょうか。仮に30,000円まで下がったところで急反発し、そのまま二度と下がってこなかったら……。

「あーあ、もう少し高くても買っておけばよかった!」と激しく後悔することになります。そして、価格がどんどん上がっていくのを見て焦り、結局また高値で飛びついてしまう(ジャンピングキャッチ)。これが、大底だけを狙おうとする初心者が陥る最悪のループです。だからこそ、機会を逃さないために30,500円や30,000円にも薄く網を張っておく必要があったのです。

底を待って買えない「機会損失」という見えないコスト

家計のやりくりでも、「あそこのスーパーの方が10円安いから」と遠くの店まで自転車を漕いで、結果的に時間と体力を無駄にしてしまうことってありますよね。

投資における「もっと下がるまで待とう」という心理も、実は見えないコストを払っています。「買えなかった」という機会損失です。
銀の長期的な上昇(インフレ対策)を信じて投資しているのに、目先の数百円、数千円の安さにこだわって「そもそも銀を持てない状態」が続くことの方が、我が家にとってはリスクだと判断しました。

「一番安く買うこと」は諦め、「そこそこ安いところで、確実に口数を増やすこと」にシフトチェンジしたことで、毎日のようにチャートを見て一喜一憂する無駄な時間を手放すことができたのです。

銀投資で一番大事なのは平均単価ではなかった

「指値を散らすのはわかったけど、結局は平均取得単価を安くして、いつかプラスになるのを待つゲームなんでしょ?」

指値の作戦会議が一段落したところで、ママがそう聞いてきました。確かに、私も以前までは「平均単価を下げること(ナンピン)」こそが、含み損を抱えた時の唯一の正解だと思っていました。しかし、今回の銀の暴落で胃を痛めながらチャートとにらめっこして、ようやく気づいたんです。

投資において一番大事なのは、平均単価の数字を下げることではありませんでした。

恐怖で買い、熱狂で少し売るための「資金の余力」

一番大事だったのは、「どんなに暴落しても、追加で買えるだけの現金(余力)を残しておくこと」でした。

振り返ってみれば、私が41,072円の天井付近で57口も一気に高値掴みしてしまったのは、世の中の「まだまだ上がる!」という熱狂にあてられ、手元の資金をギリギリまで突っ込んでしまったからです。その結果、いざ暴落(恐怖)が来た時に身動きが取れなくなり、ただ含み損の画面を見て冷や汗を流すことしかできませんでした。

「恐怖で買い、強欲で売れ」という有名な投資の格言があります。
でも、これって「手元に現金がある人」にしかできないんです。どんなに銀が安くなって「今がチャンスだ!」と思っても、口座に資金がなければただの傍観者です。

だからこそ、今回の追加資金100万円も、決して全額を一気に使い切るようなことはしません。もし28,000円の指値まで刺さったとしても、まだ家計には「次の暴落」に備えるための現金を残してあります。この「余力」があるという事実こそが、夫婦の心に圧倒的な平穏をもたらしてくれました。

我が家は長期ガチホより「回転」も視野に入れている

ここまで話し合ったところで、最後に私からママに「今後の銀ETFの扱い方」について提案をしました。それは、新NISAのインデックス投資のような「ひたすら握りしめて放置する(長期ガチホ)」という王道から、少しだけ道を外れる戦略です。

利確して現金化する勇気と、暴落時に買い直す準備

「もし今後、銀の価格が持ち直して、また利益が出始めたら……今度は欲張らずに、少しずつ売って現金化(利確)していこうと思うんだ」

私の提案に、ママは少し驚いていました。「えっ? インフレ対策なんだから、ずっと持っておくって言ってたじゃない」

確かに、長期的には現金よりも実物資産である銀の方が価値を保ちやすいかもしれません。しかし、銀は私たちが想像する以上に気まぐれで、価格の波(ボラティリティ)が激しいじゃじゃ馬です。せっかく含み益が出ても、今回のようにあっという間に暴落してマイナスに叩き落とされるという現実を、私たちは身をもって体験しました。

ずっと持ったままで「また下がるかも……」と怯え続けるよりは、目標とする利益(例えばプラス10%など)が出たら、全体の何割かを売って確実に現金を手元に戻す。そして、また今回のような暴落が来た時に、その現金を使って安く買い直す。
この「回転」を視野に入れる方が、精神衛生上、我が家の性格には合っていると判断したのです。

激しい価格の波(ボラティリティ)を味方につける戦略

銀の価格変動の激しさは、何も準備をしていない時は「恐怖」でしかありません。しかし、事前に指値を並べて待ち構え、上がった時に少し売る準備ができている投資家にとっては、利益を生み出す「チャンスの波」に変わります。

「なるほどね。ただ祈って待つだけじゃなくて、上がっても下がっても次の一手がある状態にするってことね」
ママもようやく納得してくれました。

大底を当てようとするのではなく、波に逆らわず、波を利用する。これが、平均単価38,299円という痛い授業料を払って私たちが学んだ、銀投資との付き合い方です。

まとめ|本当に怖いのは暴落ではなく「準備不足」だった

「銀の暴落って、本当に怖いね」

数日前、真っ青な評価損益を見たママはそう言っていました。でも今、私たちの心境はまったく違います。

現在、我が家の証券口座には、30,500円から28,000円まで、階段状に並べられた銀ETFの買い指値が静かに出番を待っています。
もし明日、さらに暴落して指値が刺されば、「よし、計画通り安く買えたぞ!」と喜べます。もしこのまま下がらずに反発していけば、「すでに持っている82口の含み損が減っていくからラッキー!」と思えます。

そう、本当に怖いのは暴落そのものではなかったんです。
「自分の許容範囲を超えた金額を投資してしまうこと」と、「下がった時にどうするかという『準備』を全くしていなかったこと」。それが、不安と恐怖の正体でした。

今、この画面の前で「銀がまた下がった……どうしよう」と不安になっているあなた。
まずは深呼吸をして、現在の保有ポジションと平均単価、そしてご自身の「現金余力」を冷静に確認してみてください。

無理にナンピンする必要はありません。今の含み損は「勉強代」と割り切り、最悪のシナリオを想定して、あなたが一番安心できる「指値の防衛線」を引いてみてください。
準備が完了したとき、きっとあの嫌な冷や汗は止まり、「次の暴落が来ても大丈夫だ」という確かな自信に変わっているはずです。

一緒に、この暴落という荒波を、パニックにならずに乗り越えていきましょう!

-お金を増やす(資産運用の基本)