「使わなかった保険料が戻ってくるなら、絶対お得じゃん!」
数年前の私は、保険のパンフレットの文字を見てすっかりその気になっていました。毎月ギリギリの家計をやりくりする中で、どうしても「掛け捨ての保険はお金をドブに捨てているみたいでもったいない」と強く思っていたからです。
「健康であれば、払い込んだ保険料が全額戻ってくる」という甘い言葉。当時の私は「貯金代わりにもなるし、いざという時の備えにもなる。これこそ私が求めていた魔法の保険だ!」と本気で信じ込みました。
でも、実際に電卓を叩いて仕組みを調べていくうちに、「あやうく大損をするところだった…」と冷や汗をかくことに。
本記事では、金融知識ゼロで「損をしたくない」一心だった私が、危うく飛びつきそうになった「健康還付給付金(還付型医療保険)」のリアルな仕組みと、自分で計算して気づいてゾッとした注意点をお話しします。「なんとなくお得そう」で契約してしまう前に、私の失敗談を踏み台にして、冷静な判断材料にしてくださいね。
昔の私は勘違いしていた!健康還付給付金は「全額戻る」わけじゃない
「戻ってくるなら、絶対こっちの方がいい!」
当時の私は、掛け捨て型(解約返戻金などがないタイプ)と還付型(お金が戻るタイプ)のパンフレットを並べて、迷わず還付型を指差していました。でも、ここには私がすっかり勘違いしていた大きな落とし穴があったんです。
私が「絶対お得!」と飛びつきそうになった理由
私が惹かれた最大の理由は、「支払った保険料がムダにならない」という安心感でした。
毎月数千円でも、何十年も払い続ければ100万円単位の大きな出費になりますよね。私のように「毎月のやりくりで精一杯だから、1円だって損したくない」と考えていると、「使わなければ全額戻る」というフレーズは、まるで自分へのご褒美のように魅力的に聞こえたんです。
「病気になれば保険金がもらえるし、健康なら払ったお金が戻ってくる。どっちに転んでも損しないなんて最強じゃないか!」と、本気で思っていました。
貯金代わりにはならない?キャッシュバックの罠
しかし、よくよくパンフレットの小さな文字を読んで、自分で電卓を叩いてみた時、手が止まりました。
私が気づいた残酷な事実は、「戻ってくるのは、あくまで『受け取った給付金を差し引いた残りの金額』だけ」ということです。
例えば、70歳までに合計100万円の保険料を払ったとします。もし途中で入院や手術をして、保険会社から30万円の給付金を受け取っていたら、70歳で戻ってくるのは「100万円 - 30万円 = 70万円」になります。
これって、冷静に考えると「自分で自分に保険金(給付金)を払っているだけ」なんですよね。
「保険会社がタダで手厚い保障をしてくれて、おまけに満額貯金もしてくれる」なんていう、都合のいい魔法の仕組みではなかったんです。私はこれを「貯金代わり」だと思い込んでいましたが、実態は単なる「後払いキャッシュバック」に近いものだと気づき、すっと熱が冷めていきました。
契約前に必ず確認したい3つのチェックリスト
もし当時の私にアドバイスできるなら、契約書のサインをする前に以下の3つを絶対に計算させます。
- 70歳(あるいは所定の年齢)までに支払う保険料の総額はいくらか?
- もし「盲腸で入院(給付金10万円)」などをした場合、戻ってくるお金はどう減るか?
- 途中で家計が苦しくなって解約した場合、いくら手元に戻るのか?
この3つを自分で紙に書き出してみたことで、私は「本当にこれ、私にとって得なんだろうか?」と冷静な目を取り戻すことができました。
「使わなかったら戻る」ってどういうこと?健康還付給付金の仕組み
そもそも「健康還付給付金」とは何なのか。専門用語が苦手な当時の私が、やっと腹落ちしたレベルまで噛み砕いて解説しますね。
そもそもどんな保険?昔の私が聞いて分かったレベルで解説
一言でいうと、「掛け捨ての医療保険」に「お金が戻る機能(特約)」をガッチャンコした保険です。
ベースは普通の医療保険なので、入院したら1日〇千円、手術をしたら〇万円、という保障がついています。そこに「所定の年齢(例えば70歳)に達した時、それまで払った保険料から、使った分の給付金を引いて、余ったお金を返しますよ」というルールが追加されているんです。
参考
生命保険商品における「健康還付給付金(使わなかった保険料が戻るタイプ)」の仕組みは、主契約(医療保障)に対して、所定の年齢到達時に「払込保険料累計額」から「受取給付金累計額」を差し引いた差額を支払う構造となっています。
(参考:公益財団法人 生命保険文化センター/医療保険の選び方/確認日:2026年4月19日)
つまり、保険会社が私の代わりに、毎月の保険料の中から「保険に使う分」と「後で返す分(積立)」を分けて管理してくれている、というイメージが一番近いです。
お金が手元に戻ってくる具体的なタイミング
私がもう一つ勘違いしていたのが「お金が戻るタイミング」です。
「使わなかったら戻る」という言葉から、数年ごとにキャッシュバックされるようなイメージを持っていましたが、大間違いでした。
多くの商品では、お金が戻ってくるのは「60歳」「70歳」といった、ずっと先の決められた年齢に達した時だけなんです。
当時30代だった私からすれば、あと30年以上も先の話。「もし来年、子どもの学費や車の買い替えでまとまったお金が必要になっても、このお金は引き出せないのか…」と気づいた時、数十万円、数百万円という大金を長期間ロックされることの不自由さに怖さを感じました。
掛け捨て型の医療保険とどう違う?比べてみました
ここで、私が実際に検討した「掛け捨て型」と「還付型(健康還付給付金あり)」のリアルな違いを比べてみます。
- 掛け捨て型
- 毎月の保険料:すごく安い(例:月々1,500円~2,000円程度)
- お金の戻り:一切なし
- 私の当時の感想:「払ったお金が消えるのはやっぱり悔しい」
- 還付型(健康還付給付金あり)
- 毎月の保険料:掛け捨ての2〜3倍高い(例:月々4,000円~6,000円程度)
- お金の戻り:所定の年齢で、使わなかった分が戻る
- 私の当時の感想:「後で戻るなら、月々の負担が高くても頑張れる…かも?」
同じ「入院1日5,000円」の保障を買うのに、毎月の支払いがこんなに違うんです。「戻ってくる」というメリットを得るために、今の生活費から毎月数千円も多く身銭を切る必要がある。この「月々の負担の重さ」こそが、のちのち家計を苦しめる原因になり得ることに、私はこの時はまだ気づいていませんでした。
実際に計算して絶望…「使わなければ戻る」のリアルな数字
パンフレットの「全額戻る」という言葉に浮かれていた私ですが、ある日、ふと冷静になって具体的な数字をシミュレーションしてみました。そこで叩き出された結果に、私は「えっ、全然お得じゃない…」と絶望することになります。
還付金を受け取れるのは数十年後!?
先ほども少し触れましたが、還付金を受け取れる年齢は「70歳」などに設定されていることがほとんどです。
当時の私は30代。つまり、30年以上も先にならないと、自分がコツコツ払ったお金が戻ってこないんです。これって、例えば友人から「今から毎月数千円ずつ預からせて!35年後にそのまま返すから!」と言われているのと同じですよね。「それなら自分で銀行に預けておいた方が、急にスマホが壊れた時や車検の時に好きなように引き出せて便利じゃん!」と気づいた瞬間、一気に魔法が解けました。
私が支払う総額と戻ってくる額のギャップ
さらに私を驚かせたのが、支払う保険料の総額です。
たとえば、掛け捨てなら月2,000円で済む保障内容なのに、還付型だと月5,000円払わなければならないとします。この差額の3,000円が「将来戻ってくるためのお金(積立部分)」ですよね。
3,000円 × 12ヶ月 × 35年 = 126万円。
つまり、70歳で126万円戻ってきたとしても、それは「自分が毎月我慢して余分に払っていた126万円が、ただ返ってきただけ」なんです。投資のように利息がついて増えるわけでもありません。単なる「先払い」だったんです。
なぜ「満額戻る」ように見えてしまうのか
なぜ当時の私は「得だ!」と完全に勘違いしてしまったのか。それは「使わなかったら満額戻る」というフレーズのインパクトが強すぎたからです。
でも現実は、「掛け捨て部分の保険料」と「貯金部分の保険料」をセットで払わされているだけ。「保険会社がプレゼントしてくれる」のではなく、「自分で積み立てたお金を、何十年後かにそのまま返してもらっているだけ」というカラクリに気づいた時、あやうく自分の思い込みで大金を拘束されるところだったと冷や汗が出ました。
私が契約前に気づいてゾッとした、見落としがちな注意点
さらに調べていくと、還付型には「契約前に絶対に知っておくべきリスク」がいくつも隠れていました。私が「もしあの時契約していたら、あとで後悔して泣いていたな…」と本気でゾッとしたポイントを共有します。
手術や入院をしたら戻ってくるお金が減る?
これが個人的に一番ショックでした。還付金として戻ってくるのは「払った保険料の総額」から「受け取った入院給付金や手術給付金」を引いた残りの額です。
つまり、病気になって保険を使えば使うほど、70歳でもらえるお小遣い(還付金)が減っていくんです。
「せっかく高いお金を払って保険に入ったのに、いざ使うと将来の貯金が減るから請求するのをためらっちゃう…」なんて、本末転倒ですよね。当時の私は、「保険は安心を買うものなのに、これじゃあ病気になるたびに『ああ、還付金が減った』と損した気分になる」とモヤモヤしました。
途中でやめると大損!途中解約の恐怖と元本割れ
そして、私が一番恐ろしいと感じたのは、「途中解約」のリスクです。
子どもが大きくなって塾代がかさんだり、一時的に収入が減ったりして、「毎月5,000円の保険料がどうしても払えない…」となる可能性は、長い人生の中では十分にあります。
でも、還付型の保険は、還付の年齢(70歳など)を迎える前に解約してしまうと、戻ってくるお金(解約返戻金)がゼロ、あるいは払った額より大幅に少なくなってしまう(元本割れ)ことがほとんどなんです。
参考
健康還付給付金(使わなかった保険料が戻るタイプ)の特則が付加された医療保険は、給付金の受取年齢到達前に解約した場合、解約返戻金はないか、あってもごくわずかであり、払込保険料累計額を下回るのが一般的です。
(参考:生命保険協会/生命保険の基礎知識:解約と解約返戻金/確認日:2026年4月19日)
「家計が苦しいから保険を見直したいのに、今やめたら今まで払った大金がパーになるからやめられない…」
このプレッシャーは、毎月ギリギリでやりくりしている私にとって、あまりにも重すぎる罰ゲームのように感じました。
30年後の100万円は、今の100万円と同じ価値じゃない
最後に、私が「還付型はやめよう」と完全に決意した決定打です。
「まあ、70歳で100万円戻ってくるなら、損はしないか」と自分を納得させようとしていた私に、金融の知識がある友人が教えてくれたのが「インフレ(物価上昇)」の怖さでした。
私が子どもの頃は100円で買えたジュースが、今は160円くらいしますよね。つまり、お金の価値は少しずつ下がっているんです。
今、一生懸命払っている「100万円」が、30年後にそのまま「100万円」で戻ってきたとしても、その時の物価が上がっていれば、今の100万円と同じものは買えません。増えずにただ寝かされているだけのお金は、実質的には目減りしてしまっている(損をしている)のと同じなんです。
「お金を長期間拘束されるうえに、価値が下がるリスクまであるのか…」と知り、私はここでようやく目が覚めました。
結局、還付型は本当にお得なの?私のリアルな結論
さまざまな角度から計算し、リスクを知った私がたどり着いた結論をお話しします。
月々の保険料、実はかなり割高でした
結論から言うと、私にとって還付型は「割高でリスクが大きい商品」でした。将来戻ってくるとはいえ、それは数十年後の話。それよりも、今現在の「毎月数千円の差額」を払い続けることが、日々の生活の余裕を奪っていることに気づいたんです。
「戻ってくるお金」より「毎月の負担」を直視する
「戻ってくるお金」に目を奪われがちですが、一番大事なのは「毎月無理なく払えるか」です。私は「将来の安心のために、今の生活を苦しくしては本末転倒だ」と痛感しました。家計が苦しい時、保険料の支払いがストレスになるようでは、何のための保険か分かりません。
「保険」と「貯蓄」は分けて考えるべきだと痛感した理由
私が学んだ最大の教訓は、「保険は保険、貯蓄は貯蓄」と分けて考えるのが一番シンプルで強いということです。保険は「万が一の時のため」に必要最小限の掛け捨てで備え、浮いたお金は「貯蓄」や「投資」に回す。これが、一番自由度が高く、無駄がない方法だと確信しました。
私には合わなかったけど…還付型が向いているのはこんな人
私は選びませんでしたが、絶対にダメというわけではありません。人によっては「むしろ還付型の方が合っている」ケースもあると思います。
貯金がどうしても苦手で、強制的に天引きしたい人
「手元にお金があると、どうしても使ってしまう」「自分で口座を分けて貯金するのが面倒くさい」という人には、還付型は向いているかもしれません。保険料として強制的に引き落とされるため、「気づいたら70歳の時にまとまったお金ができていた」というメリットはあります。
私のように、無駄を省いて自分で運用したい人(向いていない人)
一方で、私のように「少しでも無駄な出費を削りたい」「新NISAなどを活用して、自分でお金を増やしたい」と考えている人にはおすすめしません。お金が長期間ロックされること、インフレに弱いことは、資産形成においては大きな足かせになるからです。
迷った時の、私なりの判断基準
もし迷っているなら、「途中で解約せずに、最後まで払い切れる絶対の自信があるか?」を自分に問いかけてみてください。少しでも「途中で払えなくなるかも」と不安がよぎるなら、やめておいた方が無難だと私は思います。
「じゃあどうすればいいの?」迷った私が次にやったこと
「還付型がイマイチなのは分かったけど、じゃあどうすればいいの?」と思いますよね。私が次にとった行動は、とてもシンプルでした。
一つの保険に固執せず、フラットに比較するのが正解
それは、「掛け捨て型」と「還付型」の設計書を両方出してもらい、並べて比較することです。頭の中で「どっちが得だろう?」と考えるのではなく、実際の数字(毎月の保険料、保障内容、解約時の返戻金など)を紙に書き出して比べてみました。そうすることで、自分の家計に本当に合っているのはどちらか、明確な答えが出たんです。
掛け捨てと還付型、両方比べてわかったこと
実際に比較してみると、驚くほど違いがハッキリしました。「私はこれで良かったんだ」と心から納得して選べたのは、両方のメリット・デメリットをしっかり比べたからです。
👇 私が当時、実際に「掛け捨て型」と「還付型」を徹底比較した時の生々しい記録はこちらにまとめています。「自分にはどっちが合っているんだろう?」と迷っている方は、ぜひ私の比較ステップを真似してみてくださいね。
▶ 掛け捨てと還付型を比較した記事はこちら ※準備中