お金を増やす(資産運用の基本)

【金ETFが2万円割れ】含み損14万円でも私が「何もしない」を選んだ理由(37口保有のリアル)

 

毎日の通勤電車の中で、証券会社のアプリを開いてはため息をつく。画面に表示されるマイナスの赤い数字を見るたびに、「なんであの時、あんな高い値段で買っちゃったんだろう……」と胃がギュッと痛くなる。

「将来、家族のお金で苦労したくない」
「少しでも資産を守りたい」

そんな思いで堅実に始めたはずの投資なのに、気がつけば毎日の価格の上下に心が振り回され、全然休まらない日々を送っていました。

今、この記事を読んでくださっているあなたも、もしかしたら当時の私と同じように、下落していく金ETFの価格を前に「このまま放置していて大丈夫なのか」「損切りしたほうがいいのか」、それともSNSで言われているように「今こそ買い増し(ナンピン)のチャンスなのか」と、一人で悩みを抱え込んでいるかもしれませんね。

実は私自身、金ETF(1540)を37口保有しているのですが、価格が下落し続けた結果、約14万円もの含み損を抱えることになりました。

「これ以上、大切なお金が減っていくのを見ているのは辛い……」

本記事では、そんな私が価格下落に本気で焦り、買い増しの誘惑と必死に戦いながら、最終的に「何もしない」という決断を下すまでのリアルな葛藤と判断基準を、難しい専門用語なしで包み隠さずお話しします。

「私のやり方が大正解です!」なんて偉そうなことを言うつもりは全くありません。ただ、「同じように含み損に耐えながら、なんとか踏みとどまっている人間がここにもいるよ」ということが、今不安でたまらないあなたの心を少しでも軽くする材料になれば嬉しいです。

金ETFが19945円まで下落。ついに2万円を割った日のリアル

「うわ、ついに2万円切っちゃった……」

仕事の休憩中、何気なく開いたスマホの画面を見て、私は思わず声が出そうになりました。血の気がサーッと引いていくあの感覚は、今でも忘れられません。

私が保有している純金上場信託(1540)、いわゆる金ETFの取得単価は23,731円。それを37口持っています。順調に育ってくれると信じていたのに、その日の日中、価格はみるみる下がり、ついに「19,945円」という数字を叩き出したんです。(その日の終値は20,160円でギリギリ持ちこたえましたが、心臓には悪すぎました)

「2万円」という数字がもたらす恐ろしい心理的インパクト

投資の世界では、「キリの良い数字」というのはただの数字以上の意味を持ちます。

私のように「難しいことはよく分からないけれど、将来のために」と投資をしている人間にとって、「20,000円」という大台は、無意識のうちに「ここまでは下がらないだろう」と信じ込んでいた心の防波堤でした。

そこをあっさりと突き破られた瞬間、「このままずっと下がり続けて、ただの紙切れ(電子データですが)になってしまうんじゃないか?」という強烈なパニックに襲われたんです。
ニュースを見れば「アメリカの金利が〜」「中東の情勢が〜」と色々な解説がされていますが、正直なところ、当時の私の頭の中は「ヤバい、どんどんお金が溶けていく」という焦りしかありませんでした。

大きな節目を割ったとき、人はどれほど冷静さを失うのか。それを身をもって痛感した出来事でした。

正直、今すぐ買い増し(ナンピン)したくてたまらなかった

パニックになった私が次に考えたのは、「損切り」ではなく、なんと「買い増し」でした。

投資の世界では、これを「ナンピン(難平)買い」と呼びます。SNSを開けば、「今が絶好の押し目買いチャンス!」「バーゲンセールきた!」という景気の良い言葉が飛び交っていました。

それを読んだ私は、「そうか、今下がっている時に追加で買えば、全体の平均購入単価を下げられる。そうすれば、少し価格が戻っただけですぐにプラ転(利益が出る状態)するぞ!」と、妙にテンションが上がってしまったんです。

お得に見える「平均単価を下げる」という甘い罠

当時の私は、毎月の家計を必死にやりくりして残した家族の貯金から、「あと30万円くらいならなんとか出せる……ここが勝負どころだ!」と本気で追加投入を考えていました。

確かに、ナンピン買いには「平均単価を下げる」という明確な効果があります。
例えば、23,000円で買ったものが19,000円に下がった時、19,000円で同じ量を追加で買えば、平均単価は21,000円になります。元の23,000円まで戻らなくても、21,000円を超えれば利益が出る。一見すると、すごく合理的で「お得な裏ワザ」のように思えますよね。

でも、スマホの「注文確認画面」まで進んだところで、私の指はピタッと止まりました。

もし「さらに下がったら」どうなる?

「もし、ここで30万円分追加で買って、さらに18,000円、17,000円と下がり続けたら……?」

その想像をした瞬間、背筋がゾッとしました。
ナンピン買いが成功するのは、「その後、確実に価格が上がる」という前提がある時だけです。もし予想に反して下落が続けば、投入した金額が増えている分、含み損が拡大するスピードは2倍、3倍に跳ね上がります。

プロの投資家でも底値(一番安い価格)を当てることは不可能です。ましてや、日々の仕事や家事に追われている私が、そんな神業みたいなタイミングを当てられるわけがない。

ナンピン買いは、うまくいけば傷を早く癒やしてくれますが、一歩間違えれば致命傷になりかねない「両刃の剣」なのだと、注文ボタンを押す直前でようやく気づくことができたんです。

それでも私が「買わない」と決断した理由

「あと30万円入れれば、平均単価が下がって楽になれる……」

震える指で注文ボタンを押しかけた私でしたが、深呼吸を一つして、そっと証券アプリを閉じました。喉から手が出るほど買い増ししたかったのに、なぜ踏みとどまることができたのか。

それは、過去に同じような「焦りからの買い増し」で大火傷をした、痛すぎる失敗の記憶がフラッシュバックしたからです。

「守りの資産」に攻めを求めてはいけないという教訓

実は私、投資を始めたばかりの頃に別の投資信託が暴落したとき、「今が絶好のチャンスだ!」とムキになって、いざという時のための生活防衛資金にまで手を出してナンピン買いをしたことがあります。

結果はどうなったか。価格はさらに下がり続け、毎日「今月、クレジットカードの引き落とし足りるかな……」と胃薬を手放せない、本末転倒な日々を送るハメになりました。家族の将来のために始めた投資で、家族の今の生活を脅かしてしまったんです。

あの時の冷や汗を思い出し、私は自分に問いかけました。「そもそも、なんで金ETFを買ったんだっけ?」と。

投資の世界では、株などの「攻めの資産」に対して、金は「守りの資産」とよく言われますよね。私も最初は、「株が下がった時でも、金を持っていれば資産全体が守られるはずだ」という堅実な理由でこの純金上場信託(1540)を買い始めたんです。

それなのに、いざ価格が下がって含み損が出ると「ここで買い増して、早くマイナスを取り返してやる!」と、いつの間にか「守り」の資産に対して「攻め(ギャンブル)」の行動を取ろうとしていました。

暴落してパニックの時こそ「マイルール」を変えない

もしここで無理に30万円を追加して、自分の資産バランスが「金ばかり」になってしまったらどうなるか。実は私、他にも少しだけ銀ETFなども積み立てているのですが、特定の資産ばかりに偏ってお金をつぎ込むと、それがコケた時に家計全体が致命傷を負ってしまいます。

「今下がっていてお得に見えるから」という目の前の感情だけで、最初に決めた『金は今の口数だけ持っておく』というマイルールを破ってはいけない。

過去の痛い失敗が、私に「相場がパニックになっている時ほど、自分のルールを変えるな」と教えてくれました。だからこそ、私は震える手でアプリを閉じ、「今は買わない」という選択をすることができたんです。

実は一番難しくて苦しいのは「何もしないこと」だった

「買わない」と決めた。もちろん「売る(損切りする)」こともしない。
そう決断したものの、そこからの毎日は想像以上にしんどいものでした。

「買う」のも「売る」のも、実は一番ラクな逃げ道

投資をしていて大きな含み損を抱えると、どうしても「何か行動を起こさなきゃ!」という強い衝動に駆られます。

売ってしまえば、確かに数十万円の損は確定するけれど「これ以上下がるかも……」という底なしの恐怖からは解放されます。逆に買い増しをすれば、「自分はピンチに立ち向かって対策を打ったぞ!」という謎の達成感と安心感が得られます。

どちらも、スマホを数回タップするだけで、今のモヤモヤした苦しい感情からスッと逃げられるんですよね。

でも、「何もしない(そのまま持ち続ける)」というのは違います。
毎日毎日、赤いマイナスの数字(私の場合は約14万円の含み損)を容赦なく見せつけられながら、ひたすら耐えなければいけない。SNSで「まだ下がるぞ!」「今売らないヤツはバカ」という言葉を目にするたびに、「やっぱり自分の判断は間違っているんじゃないか……」と心がグラグラ揺さぶられます。

投資の世界で「放置が一番」なんてよく言われますが、実際にやってみると、これほど精神をすり減らす修行のような作業はないと痛感しました。

「何もしない」は立派な投資戦略だと気づいた日

「もう耐えられない、いっそ全部売って楽になってしまおうか……」
そんな風に悩みながら、過去の投資家たちがどうやって暴落を乗り越えてきたのかを必死に読み漁っていた時のこと。私はハッとさせられる事実に気づきました。

それは、「プロの投資家でさえ、相場が一番下がるタイミングを完璧に読むことはできない。だからこそ、長期投資において『市場から逃げずに居続けること』が一番の正解になることが多い」という事実です。

かつての私もそうでしたが、初心者はどうしても「下がったら売り、上がる前に買う」というカッコいい動きをして利益を出そうとして自滅します。でも、今回のようにパニックになって価格が乱高下している時に素人がジタバタ動くと、たいてい裏目に出るんですよね。

「そうか、今の私は『何もしない』という最強の防御魔法を使っている最中なんだ」

そう考えるようにしてから、少しだけ心がスッと軽くなりました。「何もしない」というのは、決して判断から逃げているわけではなく、自分の大切な資産を守るための立派な『積極的な戦略』なのだと、この苦しい含み損期間が私に教えてくれたのです。

【今後のシナリオ】価格帯別・私のリアルな判断基準

「じゃあ、この先どうなったら動くの? ずっと放置するの?」

「何もしない」という最強の防御魔法を使っているとはいえ、このまま価格が下がり続けたら……という不安が完全に消えたわけではありません。毎日、満員電車の中で冷や汗をかくのはもう懲り懲りです。

過去の私は、「その時の気分」や「SNSの煽り」で突発的に動いて大失敗しました。パニックになってから考えても、絶対に冷静な判断なんてできません。
だから今回は、事前に自分なりの「今後のシナリオ(マイルール)」を整理してノートに書き出しておくことにしました。前もって決めておけば、もう感情に振り回されることはありません。

20,000円台を回復したらどう考えるか

もし価格が持ち直し、再び2万円の大台を回復したとしても、「やった! これから爆上がりだ! 買い増しだ!」とは考えません。
あくまで金は「守りの資産」です。価格が戻ったということは、私のポートフォリオ(資産全体のバランス)の中で、しっかりと防波堤の役割を果たしてくれている証拠。これまで通り、37口という現在の保有量をキープしつつ、「ただ見守るだけ」を継続します。

18,000円台まで下落したらどう考えるか

ここが一番、心が揺れるポイントになると思います。SNSでは間違いなく「歴史的な大バーゲン!」「ここで買えない奴は投資をやめろ!」といった過激な言葉が飛び交うでしょう。

でも、ここでも私は「買い増し(ナンピン)」はしません。
なぜなら、今の私の家計において、金に回せる予算はすでに上限に達しているからです。ここで無理をして家族の生活防衛資金に手を出せば、過去の痛い失敗を繰り返すことになります。「お得に見えても、自分の予算以上のリスクは取らない」。このルールを徹底します。

17,000円台に突入したらどう考えるか(最終防衛ライン)

もしここまで暴落したとしたら、それは世界的な経済ショックなど、何かとんでもないことが起きている証拠です。
当時の私ならパニックになって「全部損切りだ!」と投げ売りしていたかもしれません。しかし、ここまできたら逆に腹を括ります。

金という資産そのものの価値がゼロになることは歴史上考えにくいですし、ここで売ってしまえば数十万円の損が完全に確定してしまいます。
「いつか戻る日が来る」と信じて、証券アプリを見る頻度を極端に減らします。価格を見なければ、心は乱れません。見えないふりをするのも、立派な自己防衛です。

まとめ|金ETFが2万円を割った日、私は何もしなかった

現在、私の金ETF(1540)は依然としてマイナス圏を推移しており、約14万円というリアルな含み損を抱えたままです。

正直に言えば、不安が完全にゼロになったわけではありません。「あの時、少し利益が出た時点で売っておけばよかったかな……」と、タラレバを考えてしまう夜もあります。

それでも私は、売りません。
そして、買い増しもしません。
ただ、静かに観察を続けるという「何もしない」戦略を選びました。

「将来、家族のお金で苦労したくない」
その一心で始めた投資です。少しでも早く利益を出して、家族を安心させたかった。でも、焦って無理な行動を起こし、結果的に大切なお金を大きく減らしてしまっては本末転倒です。

今回の暴落と、そこから生まれた葛藤を通じて、私はある大切なことに気がつきました。

それは、「投資で手っ取り早く利益を出す方法よりも、パニックになった時に余計な失敗をして、家族の大切な資産を減らさない方法の方が、ずっと大切なのかもしれない」ということです。

もし今、あなたが私と同じように含み損を抱え、「どうしよう、売るべきか、買うべきか」とスマホを握りしめて悩んでいるなら。
どうか一度深呼吸をして、アプリを閉じてみてください。

「今は、何もしなくていい」

そう自分に言い聞かせるだけで、少しだけ肩の荷が下りるはずです。相場の波は誰にもコントロールできませんが、自分の行動と心だけは、自分でコントロールできます。
お互い、焦らず自分のペースで、家族の笑顔を守るための資産形成を続けていきましょうね。

-お金を増やす(資産運用の基本)