お金を増やす(資産運用の基本)

楽天証券NISAのおすすめはどれ?投資信託・ETF・株の選び方を初心者向けに解説

「NISAを始めたいけれど、商品が多すぎて選べない」
楽天証券の口座開設までは進んだものの、注文画面で手が止まってしまう。そんな声が多く聞かれます。

将来の資産形成のために一歩踏み出したのに、選択肢の多さが壁になっているケースは少なくありません。

「ランキング1位を買ったけれど…」

会社員のBさん(35歳)は、とりあえず人気ランキング1位の商品を購入しました。しかし、数ヶ月後に価格が一時的に下がった際、「このまま持ち続けていいのか?」「そもそも中身は何なのか?」と不安になり、結局売却してしまったといいます。
これは、「なぜそれを選んだのか」という基準が自分の中にない場合に起こりやすい失敗です。

SNSの情報に振り回されないために

SNSでは「これ一本でOK」「今は〇〇を買うべき」といった強い言葉が飛び交います。しかし、ある人にとっての正解が、あなたの家計状況や性格に合うとは限りません。

本記事では、特定の銘柄を推奨するのではなく、「楽天証券のNISAで、自分に合った商品を選ぶための基準」を整理します。損を避け、長く続けられる選択を一緒に考えていきましょう。

楽天証券NISAで買える商品の全体像|まずは選択肢を知ろう

まず、楽天証券のNISA口座で購入できる商品は、大きく分けて3つの種類があります。これらは「お弁当(パッケージ)」か「素材(単品)」かというイメージで捉えると分かりやすくなります。

投資信託・ETF・個別株の違いとは?

初心者がまず押さえるべきは、この3つの違いです。

種類 イメージ 特徴 初心者おすすめ度
投資信託 お弁当 プロが選んだ詰め合わせ。100円から買える。 ★★★(大本命)
ETF
(上場投資信託)
お惣菜 お弁当に近いが、市場価格でリアルタイムに買う。 ★★☆(中級者向)
個別株 素材 企業の株を直接買う。当たり外れが大きい。 ★☆☆(勉強が必要)
  • 投資信託(お弁当):
    運用のプロにお金を預け、株や債券などを代わりに買ってもらう仕組みです。「全世界の株」や「米国の株」などがパッケージ化されており、自分で細かい銘柄を選ぶ必要がありません。
  • ETF(お惣菜):
    中身は投資信託とほぼ同じですが、株式市場で株と同じように売買します。「今、この値段で買いたい」という注文が出せますが、自動積立などの利便性は投資信託にやや劣ります。
  • 個別株(素材):
    「トヨタ自動車」「楽天グループ」など、特定の企業の株を直接購入します。企業が成長すれば大きな利益になりますが、倒産や業績悪化で価値がゼロになるリスクもあります。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で買える商品の整理

NISAには2つの「枠」がありますが、それぞれ買えるものが異なります。

  1. つみたて投資枠
    • 金融庁の基準を満たした、長期・積立・分散投資に適した「投資信託」のみ購入可能です。
    • 手数料が低く、初心者が大失敗しにくい商品が厳選されています。
  2. 成長投資枠
    • 投資信託に加え、ETF個別株(日本株・米国株など)も購入可能です。
    • 選択肢が広い分、リスクの高い商品も含まれているため注意が必要です。

Check:初心者はどこから始める?
基本的には「つみたて投資枠」で投資信託を選ぶことからスタートするのが王道です。制度設計上、ここが最も「長期の資産形成」に適しているからです。

初心者が最初につまずきやすい「商品名の複雑さ」について

楽天証券の商品検索画面を見ると、呪文のような長い名前が並んでいます。
例:「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

これは、分解すると意味が分かります。

  • ブランド名(eMAXIS Slim): 運用会社のシリーズ名。「安くてシンプル」などの特徴を表します。
  • 投資対象(全世界株式): 何に投資するか。「世界中の株」という意味です。
  • 愛称(オール・カントリー): 親しみやすいニックネーム。「オルカン」とも呼ばれます。

名前が複雑でも、重要なのは「どこに投資しているか(投資対象)」です。ここさえ押さえれば、怖がる必要はありません。

「おすすめ」を鵜呑みにしない|損を避けるための3つの判断基準

ランキングやインフルエンサーのおすすめをそのまま買う前に、自分自身の「基準」を確認しましょう。以下の3つの軸で考えると、自分に合う商品が見えてきます。

基準① リスク許容度(どれくらい値動きに耐えられるか)

投資における「リスク」とは、「危険」ではなく「値動きの振れ幅」を指します。

  • ハイリスク・ハイリターン:
    短期間で資産が倍になる可能性がある一方で、半分になる可能性もある。(例:新興国株、一部の個別株)
  • ミドルリスク・ミドルリターン:
    世界経済の成長に合わせて、年平均5〜7%程度のリターンを目指す。(例:全世界株式、米国株式)
  • ローリスク・ローリターン:
    大きくは増えないが、減る可能性も低い。(例:債券重視の投資信託)

自問自答してみましょう
「もし、100万円投資して、翌年に70万円に減っていたらどう思いますか?」
→ 「夜も眠れない、すぐ売りたい」と思うなら、リスクを抑えた商品を選ぶべきです。
→ 「10年後には戻るだろうから気にしない」と思えるなら、株式中心の商品が選択肢に入ります。

基準② 手間とコスト(ほったらかしか、自分で管理するか)

資産形成は20年続くマラソンです。「手間」と「コスト」は継続のしやすさに直結します。

  • 手間の観点:
    • 投資信託(積立): 一度設定すれば、毎月自動で口座から引き落とされ、配当金も自動で再投資されます。完全な「ほったらかし」が可能です。
    • ETF・個別株: 配当金が出たら自分で再投資の手続きが必要だったり、定期的に相場をチェックしたりする手間が発生します。
  • コスト(信託報酬)の観点:
    投資信託を持っている間、ずっとかかり続ける手数料です。

    • 年率0.1%〜0.2%程度:低コスト(優良)
    • 年率1.0%以上:高コスト(長期保有には不向きな場合が多い)

楽天証券には低コストな優良ファンドが多数揃っていますが、中には手数料が高いものも混在しています。必ず「信託報酬」の数字を確認しましょう。

基準③ 分散の考え方(1本で世界中に分散 vs 自分で組み合わせ)

「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。カゴを落としたら全ての卵が割れてしまうからです。

  • 1本で分散(オールインワン):
    「全世界株式」のような投資信託を1本買うだけで、自動的に世界中の数千社に分散投資できます。初心者はこれで十分な分散効果が得られます。
  • 自分で組み合わせ:
    「米国株」の投資信託と、「日本株」の投資信託を別々に買う方法です。自分で比率を調整できますが、管理が複雑になります。

結論としての目安
迷ったら、「低コスト」「幅広く分散」されており、「ほったらかし」ができる商品を選ぶのが、失敗の少ない王道ルートです。

投資信託(つみたて投資枠)はどう選ぶ?王道の考え方

NISAの「つみたて投資枠」対象商品は、金融庁の基準をクリアした優良商品ばかりですが、それでも中身には違いがあります。大きく分けると、選択肢は主に3つのタイプに絞られます。

全世界型・米国型・バランス型、それぞれの特徴と向き不向き

初心者が最初に迷うのが「どのエリアに投資するか」です。それぞれの特徴を整理しました。

タイプ 投資対象 リターン期待 リスク(振れ幅) こんな人におすすめ
全世界株式型 日本・米国を含む世界中の企業 中〜高 どの国が伸びるか予想したくない人
米国株式型
(S&P500など)
米国の主要企業 中〜高 米国経済の強さを信じる人
バランス型 株だけでなく債券や不動産も含む 低〜中 元本割れのリスクを極力下げたい人
  • 全世界株式型(オール・カントリー):
    これ1本で、アップルやマイクロソフトなどの米国企業はもちろん、トヨタなどの日本企業、さらには新興国まで丸ごと投資できます。「国選び」をプロや市場に任せたい人に向いています。
  • 米国株式型(S&P500):
    過去の実績では、全世界株よりも高いリターンを出してきました。ただし、「もし米国が衰退したら」というリスクも一極集中で背負うことになります。
  • バランス型:
    株価が暴落した際に、クッションの役割を果たす「債券」などが含まれています。大きく増えにくい反面、大怪我もしにくい設計です。

なぜ「eMAXIS Slim」シリーズなどの低コスト商品が人気なのか

楽天証券のランキングを見ると、常に上位にいるのが「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」シリーズです。なぜこれほど人気なのでしょうか。
最大の理由は、「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」というコンセプトにあります。

投資信託には「信託報酬」という手数料がかかります。

  • Aファンド(古い商品):年率1.5%
  • Bファンド(eMAXIS Slimなど):年率0.1%以下

仮に100万円を20年間運用した場合、この手数料の差だけで数万円〜十数万円の違いになります。中身(投資対象)が同じであれば、コストが安い商品を選ぶのが鉄則です。楽天証券では、このシリーズ以外にも「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」など、低コストな商品が充実しています。

迷ったらこう考える。「1本だけ選ぶなら」という思考法

「結局、どれか一つに絞れない」という場合、多くの専門家や書籍が推奨する考え方があります。

「全世界株式」をコア(中心)にするという考え方です。
全世界株式を選んでおけば、もし将来、米国経済が低迷してインドや中国が台頭してきても、ファンドの中で勝手に投資比率が調整されます。
「未来のことは分からないから、全部買っておく」という、最も負けにくい戦略の一つと言えます。

ETFや米国ETFは初心者におすすめ?投資信託との違いを冷静に見る

SNSやYouTubeでは「ETF(上場投資信託)の方が信託報酬が安くてお得」「高配当ETFで不労所得」といった情報も見かけます。
しかし、投資初心者にとってETFは、投資信託よりもハードルが高い場合があります。

ETF(上場投資信託)が向いている人・向いていない人

ETFは「株式市場に上場している投資信託」です。リアルタイムで株価が動き、指値(さしね)注文も可能です。

  • 向いている人:
    • 「今、この瞬間の価格で買いたい」というこだわりがある人
    • 分配金(配当金)を定期的に現金で受け取りたい人
    • ドル転などの為替手続きに抵抗がない人
  • 向いていない人:
    • ほったらかしで資産形成したい人
    • 毎月定額(例:3万円)きっちり投資したい人
    • 分配金の再投資手続きが面倒な人

信託報酬の安さだけで選ぶと失敗する理由(為替手数料・手間)

確かに、米国の超大型ETF(VOOやVTIなど)の信託報酬は、年率0.03%程度と驚異的な安さです。しかし、ここには「見えないコストと手間」があります。

  1. 為替手数料:
    日本円を米ドルに替えて購入する場合、往復の為替手数料がかかります(楽天証券などのネット証券では無料化の動きもありますが、スプレッド等のコストは意識する必要があります)。
  2. 購入単位:
    投資信託は「100円」から買えますが、ETFは「1株単位(数千円〜数万円)」での購入が基本です。「毎月3万円」といった予算にきれいに収めるのが難しく、端数が出ます。
  3. 配当金の税金と再投資:
    ETFから出る分配金には、米国と日本で二重に税金がかかる場合があります(外国税額控除という確定申告手続きで一部取り戻せますが、手間がかかります)。また、受け取った分配金を再投資するには、自分で買い注文を出さなければなりません。

積立投資との相性問題|自動化したいなら投資信託が有利

資産形成の成功の鍵は「継続」です。
投資信託(つみたて投資枠)なら、分配金はファンド内で自動的に再投資され、税金の支払いも先送りできるため、複利効果(雪だるま式に増える効果)を最大化しやすくなります。

「将来のために資産を大きく育てたい」という目的であれば、ETFよりも投資信託の積立設定の方が、管理の手間も少なく効率的であるケースが多いのです。

日本の個別株や優待狙いはNISAでアリかナシか

NISAの「成長投資枠」を使えば、トヨタや任天堂といった日本の個別株も購入可能です。
「好きな企業を応援したい」「株主優待が欲しい」という動機は素晴らしいものですが、NISA口座で個別株を買う際には、制度特有の落とし穴があります。

NISAで個別株を買うメリット・デメリット

最大のメリットは、株価が2倍、3倍になった時の利益がまるごと非課税になることです。しかし、デメリットも強烈です。

  • 「損益通算」ができない:
    通常の課税口座(特定口座)なら、A株で出た50万円の損失を、B株の50万円の利益と相殺して税金をゼロにできます。
    しかし、NISA口座で損失が出ても、「なかったこと」にはできません。他の利益と相殺できず、ただ損をしただけで終わります。
  • 非課税枠の復活は翌年:
    短期売買を繰り返すと、年間240万円の枠をすぐに使い切ってしまいます。枠が復活するのは翌年以降なので、機動的なトレードには不向きです。

株主優待を目的にする場合の注意点

「自社商品詰め合わせ」や「割引券」がもらえる株主優待は魅力的で、日本独自の文化として人気があります。
しかし、優待品の価値(例:3,000円相当)に釣られて、株価そのものが数万円下がってしまっては本末転倒です。

よくある失敗パターン
優待をもらう権利が確定する日(権利付き最終日)の直前に株を買い、翌日に株価が急落して含み損を抱えるケースです。NISAでは損益通算ができないため、このダメージは意外と大きく響きます。優待狙いの投資は、あくまで「おまけ」と考え、企業の業績自体が堅調かを確認する必要があります。

初心者がやりがちな「高配当ランキング」での失敗パターン

「配当利回り5%」などの高配当株は魅力的に見えますが、注意が必要です。

  • なぜ利回りが高いのか?
    株価が暴落しているために、計算上利回りが高くなっているだけの「罠銘柄」の可能性があります。
  • 減配(げんぱい)のリスク:
    業績が悪化して配当金が減らされると、株価もさらに下がります。

個別株投資は、財務諸表を読んだりニュースを追ったりする勉強が必要です。「なんとなく」でNISA枠を使うのは、初心者にはリスクが高いと言えるでしょう。

楽天証券の「NISAランキング」はどう使うべきか

楽天証券の公式サイトには「NISAランキング」が掲載されています。商品選びの参考になりますが、見方を間違えると自分に合わない商品を買うことになります。

ランキング上位=万人向けではない理由

ランキングは、あくまで「今、多くの人が買っている(または閲覧している)」順位です。
例えば、株価が急上昇しているハイリスクなファンドが一時的に上位に来ることがあります。しかし、それがあなたの「20年後の安心」に適しているとは限りません。

また、ランクインしている商品の中には、手数料(信託報酬)が少し高めのものが混ざっていることもあります。人気があるからといって、必ずしもコストパフォーマンスが最良とは限らないのです。

見るべきポイント(純資産額・資金流入)と見なくていいポイント

ランキング画面でチェックすべきは、順位よりもその中身です。

  • 見るべき:純資産総額(じゅんしさんそうがく)
    ファンドの規模です。ここが大きく、かつ右肩上がりで増えている商品は、多くの投資家から長く支持されている証拠です。途中で運用が止まる(繰上償還)リスクも低くなります。
  • 見るべきではない:直近1ヶ月のリターン
    短期的な成績が良い商品は魅力的に見えますが、それは「たまたまその時期にその分野が流行っただけ」かもしれません。NISAは長期戦なので、短期の勝ち負けはノイズ(雑音)です。

ランキングは「答え」ではなく「流行の確認」に使う

ランキングは「正解」を探す場所ではなく、「今、みんなはどのあたりに注目しているのかな?」という定点観測に使いましょう。
もし、ずっと上位に君臨し続けている「定番の低コストインデックスファンド」があれば、それは信頼できる選択肢の一つと言えます。

【タイプ別診断】結局どれを選べばいい?あなたに合うスタイル

ここまで解説してきた内容を踏まえ、最後に「あなたならどう選ぶか」をタイプ別に整理します。

タイプA:とにかく迷いたくない・ほったらかし派

  • おすすめの枠: つみたて投資枠
  • おすすめの商品: 全世界株式(オール・カントリー)型のインデックスファンド
  • 戦略:
    「これ1本」で世界中に分散投資します。毎月の積立設定をしたら、あとはパスワードを忘れるくらい放っておくのが正解です。最も手間がなく、失敗しにくい王道スタイルです。

タイプB:少しリスクをとってもリターンを狙いたい派

  • おすすめの枠: つみたて投資枠 + 成長投資枠
  • おすすめの商品: 米国株式(S&P500)型のインデックスファンド
  • 戦略:
    世界経済の中心である米国の成長に賭けます。全世界株よりも値動きは激しくなりますが、過去の実績では高いリターンを出しています。「リスク許容度」が高めの人に向いています。

タイプC:自分で銘柄を分析して楽しみたい派

  • おすすめの枠: 成長投資枠(資金の一部で)
  • おすすめの商品: 高配当株ETF や 日本の個別株
  • 戦略:
    コア資産(資産の8〜9割)は堅実な投資信託で守りつつ、残りの1〜2割で個別株やETFを楽しみます。「趣味の投資」と割り切り、NISAの非課税メリットを活かして配当金や優待を楽しむスタイルです。

まとめ:正解は「人気ランキング」ではなく「あなたの目的」の中にある

楽天証券のNISA口座は、強力な資産形成ツールです。しかし、使いこなせるかどうかは「最初の選び方」にかかっています。

  • 投資信託かETFか: 初心者は自動化できる「投資信託」がおすすめ。
  • 何を買うか: 低コストで分散された「全世界株」や「米国株」が王道。
  • ランキング: 鵜呑みにせず、コストと純資産額を確認する。

「絶対に儲かる銘柄」はこの世に存在しませんが、「納得して長く続けられる銘柄」は必ず見つかります。
まずは少額、例えば月1,000円からでも構いません。自分に合った商品を選び、今日から積み立て設定を始めてみましょう。その小さな一歩が、将来の大きな安心につながるはずです。

出典・参考情報


-お金を増やす(資産運用の基本)