お金を整える(家計の最適化)

格安SIM・光回線はいつ見直すべき?家族世帯のための判断基準まとめ

「格安SIMや光回線、見直せば安くなるのは分かっているけれど、どれを選べばいいか分からない……」
SNSや口コミサイトでは「スマホ代が月5,000円安くなった」「ネット回線を整えて家計が楽になった」という成功談があふれています。しかし、いざ自分で調べようとすると、数多くのプランや複雑なセット割を前に「結局、うちは今のままでいいのか、変えるべきなのか」と立ち止まってしまう方も少なくありません。

通信費の見直しで大切なのは、いきなり安いプランを探すことではなく「今の家計において見直しの優先順位が高いかどうか」を客観的に判断することです。この記事では、無理に契約を急がせるのではなく、家族世帯が自分たちのライフスタイルに合った最適なタイミングを見極めるための基準を整理して解説します。


通信費はなぜ「見直した方がいい」と言われ続けるのか

家計改善の相談やマネー雑誌などで、必ずと言っていいほど最初に挙げられるのが「通信費の見直し」です。なぜこれほどまでに注目されるのか、その理由は単に「安くなるから」だけではありません。家計全体に与える影響と、現代のライフラインとしての特性に理由があります。

通信費は一度下げると効果が永続する「固定費」の代表格

家計の支出は、大きく分けて「変動費」と「固定費」の2種類があります。

  • 変動費: 食費、日用品費、レジャー費など(月によって金額が変わる)
  • 固定費: 住居費、保険料、通信費、サブスクリプション費用など(毎月一定額かかる)

食費や電気代を節約しようとすると、毎日の献立を工夫したり、こまめにスイッチを切ったりといった「継続的な努力」と「我慢」が伴います。しかし、通信費のような固定費は、契約内容を一度見直してしまえば、その後は何の努力もせずに削減された金額が毎月手元に残ります。

例えば、家族3人で毎月のスマホ代を合計1万円削減できた場合、年間で12万円、10年で120万円もの差が生まれます。この「一度の手間で効果が長く続く」という性質こそが、資産形成を志す人にとって通信費見直しが最強の武器と言われる理由です。

「みんなやってる」というブームだけで判断してはいけない理由

一方で、周囲が格安SIMにしているからといって、焦って飛びつくのは禁物です。かつては「2年縛り」や「高額な解約金」が障壁となっていましたが、現在は法改正により解約のハードルは大きく下がりました。しかし、以下のような「見落としがちなコスト」はいまだに存在します。

  • 端末の分割払い残金: 乗り換え時に一括返済が必要になるケースがある
  • 事務手数料: 契約事務手数料やSIMカード発行手数料などの初期費用
  • セット割の解消: スマホを変えたことで、自宅の光回線の割引が消えてトータルでは高くつくケース

「安くなるはず」と思い込んで動いた結果、数千円の事務手数料を払って月数百円しか変わらなかった、という事態を避けるためには、現在の契約の全体像を把握することが不可欠です。

住宅・保険・通信費の優先順位の考え方

家計の大きな固定費には「住居費」「保険料」「通信費」の3つがあります。これらを改善する際の考え方は、以下の通りです。

項目 節約効果 見直しの難易度 特徴
住居費 非常に大きい 非常に高い 引越しや住宅ローンの借り換えが必要で、生活環境が激変する
保険料 大きい 中〜高 万が一の備えに関わるため、専門知識と慎重な判断が必要
通信費 中〜大 低い 生活の質を大きく落とさずに、スマホ1台で手続きが完結する

将来に向けた資産形成(NISAやiDeCoなど)の原資を作る際、もっとも「心理的・物理的なハードル」が低く、即効性があるのが通信費です。まずは通信費で「浮いたお金」を作る感覚を掴むことが、家計管理の成功体験に繋がります。


格安SIM・光回線を見直すべき家庭の3つの特徴

世の中には「今すぐ見直すべき人」と「そうでない人」がいます。以下の3つの特徴に当てはまる場合は、現在の契約が今のライフスタイルに合っておらず、家計にムダが発生している可能性が非常に高いと言えます。

月額料金が数年前から「高止まり」しているケース

スマートフォンの料金プランは、ここ数年で劇的に変化しました。特に2021年以降、大手キャリアからオンライン専用プランが登場し、格安SIMの価格競争も激化しています。

  • 3年以上同じプランを使い続けている
  • 1人あたりのスマホ代が月額7,000円を超えている
  • 光回線の契約が10年以上前と同じ状態である

これらに該当する場合、旧プランの割高な料金設定のまま支払いを続けている可能性があります。現在の市場では、3GB程度の利用であれば月額1,000円以下、20GB程度でも月額3,000円以下が標準的な相場です。「昔からこのプランだから」という理由は、家計において大きな損失を招いているかもしれません。

実際の通信量と契約内容に「大きなズレ」があるケース

「大容量プランを契約しているが、実は家のWi-Fiばかり使っていて外では数GBしか使っていない」というケースは、家族世帯に非常によく見られます。逆に、小容量プランで契約しているために毎月のように「パケット追加チャージ(1GB 1,100円程度)」を行っている場合も注意が必要です。

  • 過剰な契約: 月20GB契約なのに、実際は毎月3GBしか使っていない(月数千円のムダ)
  • 不足した契約: 毎月のチャージ代だけで数千円払っている(割高な単価での支払い)

自分の「マイページ」にログインし、過去3ヶ月の平均データ使用量を確認してみてください。契約と実態がズレているのであれば、それは見直しのサインです。

結婚・出産・引越しなど「ライフステージ」が変わったケース

通信費は「家族単位」で最適化するのが鉄則です。以下のようなライフイベントがあった際、個々の契約がバラバラのままだと、本来受けられるはずの「セット割引」を取りこぼしている可能性があります。

  1. 結婚: 夫婦でキャリアが異なり、家族割やシェアプランが使えていない
  2. 出産・進学: 子供にスマホを持たせる際、既存の家族プランに追加するのが最適か検討していない
  3. 引越し: 新居で契約した光回線と、使っているスマホのキャリアがバラバラで「セット割」が効いていない

特に「スマホ×光回線」のセット割は、家族全員のスマホ1台につき毎月550円〜1,100円程度の割引が入ることが多いため、家族の人数が多いほど放置による損失は大きくなります。


逆に、今は無理に見直さなくてもいいケース

「家計のために見直しは必須」という風潮がありますが、状況によっては「今は動かない」ことが最善の選択になる場合もあります。無理に変更してストレスを抱えたり、余計な事務手数料を支払ったりするのは本末転倒です。以下のようなケースでは、現状維持という判断も正解といえます。

直近数ヶ月以内に生活環境が変わる予定がある

もし3ヶ月以内に「引越し」「転職」「結婚」などの予定があるなら、今は見直しのタイミングではありません。

  • 引越しの予定: 光回線はエリアや住宅形態(戸建て・マンション)によって引ける種類が変わります。今乗り換えても、引越し先で再度撤去・開通工事が必要になり、数万円単位の工事費が無駄になるリスクがあります。
  • 家族構成の変化: 結婚や同居を控えている場合、パートナーが使っているキャリアとの「家族割」を組む方がお得になるケースが多いです。一人で先行して動くよりも、新生活が落ち着いてから「家族まとめて」検討する方が効率的です。

通信品質(速度・安定性)が最優先なライフスタイル

格安SIMや安価な光回線の中には、混雑する時間帯(昼休みや夜間)に速度が低下するものもあります。以下のような方は、安さよりも「安定性」を重視し、大手キャリアや高品質な回線を維持する価値があります。

  • 在宅ワークが中心で、ビデオ会議が頻繁にある
  • 株やFXなど、リアルタイムの反応速度が求められる取引をしている
  • オンラインゲームや高画質動画の視聴が日常的である

通信トラブルによる仕事への支障やストレスは、月数千円の節約額を上回る損失になりかねません。「安さ」と「品質」の天秤を冷静に見極めることが重要です。

「今のままで満足している」という安定を重視する判断も正解

家計管理において、精神的な余裕(リソース)は有限です。育児、介護、仕事の繁忙期など、新しいことを調べて手続きをする余裕がない時期に、無理に通信費の見直しを行う必要はありません。

「今のままでも生活が回っており、特に不満もない」のであれば、あえて今動かずに、心身ともに余裕ができたタイミングで取り組むという選択も、立派な家計戦略の一つです。


具体的な比較を始める前に整理しておきたい3つの判断軸

「見直そう」と決めた際、いきなりプラン比較サイトを見るのはおすすめしません。情報が多すぎて、自分に最適なものが分からなくなるからです。まずは「自分たちにとっての優先順位」を以下の3つの軸で整理しましょう。

「安さ・速度・安定性」のうち、譲れないものはどれか

通信サービスにおいて「極限まで安く、かつ最高に速くて安定している」という完璧なものは存在しません。どこを妥協し、どこを優先するかを明確にします。

  1. 安さ優先: 通信速度はそこそこで良いので、とにかく月額料金を1,000円台に抑えたい
  2. 速度優先: 動画視聴や仕事で使うため、多少高くてもストレスのない速度を維持したい
  3. バランス重視: 大手キャリアの安心感は欲しいが、今の半分くらいの料金にしたい(サブブランドなど)

家族全体での「通信の使い方」を把握する

自分一人のスマホ代だけでなく、家族全員の合計額と、誰がどれくらい通信を使っているかを把握しましょう。

  • 子供: YouTubeやSNSで大量に消費するため、大容量プランが必要か?
  • 親(高齢): LINEとたまの検索程度なので、最小プランで十分か?
  • 自宅のWi-Fi: 家族全員が家でWi-Fiに繋いでいるなら、スマホ側は大容量である必要はないのではないか?

これらを整理すると、「家族3人で月20GBをシェアする方がお得」「夫だけは仕事用で高品質な回線を残す」といった、世帯ごとの最適解が見えてきます。

店舗サポートや設定の手間をどこまで許容できるか

格安SIMの中には、実店舗を持たず「オンライン専用」とすることで安さを実現しているものが多いです。

  • 店舗が必要: 何かあったときに窓口で対面サポートを受けたい。設定はすべて任せたい。
  • オンラインでOK: SIMカードの差し替えやAPN設定を自分で調べてできる。チャットサポートがあれば十分。

「設定が不安で夜も眠れない」という方がオンライン専用プランを選ぶと、万が一のトラブル時に多大なストレスを感じることになります。自分のITリテラシーや、割ける手間に見合ったサービス選びが、長期的な満足度に直結します。


「見直す」と決めた人が次のステップで進むべきこと

ここまで「いつ見直すべきか」「どのような基準で選ぶべきか」を整理してきました。「うちは見直した方が良さそうだ」と判断が固まったなら、次は具体的な行動に移るステップです。

判断が固まったら、まずは「現状の契約詳細」の確認から

「安くなるから乗り換える」と決めても、今の契約内容が分からない状態では比較ができません。まずは、現在契約しているマイページや請求書から、以下の4点をメモすることから始めましょう。

  1. 月々の平均支払額: スマホ代、光回線代、端末分割代を分ける
  2. 平均データ使用量: 直近3ヶ月で実際に何GB使っているか
  3. 端末代金の残り: あと何回支払いが残っているか
  4. 現在の割引条件: 家族割やセット割が何に適用されているか

広告の比較表だけで決めると失敗しやすい理由

広告に表示されている金額には「条件」があることが多いです。以下の点に注意しましょう。

  • 期間限定の割引: キャンペーン終了後に料金が上がらないか
  • 特定の支払い方法: 指定のクレジットカード払いが必須ではないか
  • セット割前提: スマホ単体での料金はいくらか

具体的な手続き・最終チェックに移るためのガイド

判断が固まった方は、いよいよ契約に向けた「最終確認」のフェーズです。乗り換えの手順や、契約直前に確認すべき項目については、以下の記事で詳しく解説しています。安心・確実な家計改善のために、ぜひあわせてチェックしてみてください。

👉 格安SIM・光回線の契約前に!損をしないための最終チェックリスト


-お金を整える(家計の最適化)