お金を増やす仕組みをつくる|積立NISAから金・仮想通貨まで、リスクを抑えて資産を育てる完全ガイド
最近、子どもの習い事の月謝や食費の値上がりを肌で感じて、「このままじゃマズイかも…」って焦りを感じているママ、きっと私だけじゃないですよね。
子どもの将来の教育費や、自分たちの老後のことを考えると、今のうちから何か手を打っておかないと…とは思うものの、育児や家事に追われて、パートに出る時間も限られる。かといって、最近よく聞く「NISA」や「投資」って、なんだか難しそうで、怖いイメージもありませんか?
「投資で損したらどうしよう」「ギャンブルみたいなもの?」
私もつい最近までそう思っていました。でも、保険や節約術を研究していくうちに、「節約する(守る)」だけじゃなくて、「お金を増やす(攻める)」仕組みも必要なんだなって痛感したんです。
政府も「貯蓄から投資へ」なんて言ってるし、新しいNISAも始まって、今や「お金に働いてもらう」ことが当たり前の時代になってきているんですよね。
とはいえ、いきなり「仮想通貨で一攫千金!」なんて危ない橋は渡れません(笑)
私たち子育て中のママに必要なのは、ギャンブルじゃなくて、リスクをできるだけ抑えながら、コツコツと将来のために資産を育てていく「仕組み」だと思うんです。
この記事では、投資に興味津々の私が今まさに勉強している「お金を増やす仕組みづくり」について、初心者目線で徹底的にかみ砕いていきます。
- なぜ「働く」だけじゃダメなのか?
- 初心者でも失敗しにくい「投資の3原則」
- 積立NISAや投資信託って、結局なに?
- ちょっと気になる「金」や「仮想通貨」ってどうなの?
こんな疑問を、私と一緒にお金の「基礎体力」をつけるつもりで学んでいきませんか?
専門用語だらけの難しい話は抜きにして、「これなら私にもできるかも!」と思えるような、資産運用の「はじめの一歩」を一緒に見つけていきましょう!
お金を増やすとは?「働かなくても増える仕組み」を持つということ
「お金を増やす」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?
「時給を上げてパートの時間を増やす」「もっと稼げる仕事に転職する」…もちろん、それも立派な「お金を増やす」方法です。
でも、私たち子育て中のママにとって、それって簡単なことじゃないですよね。
「子どもが熱を出したから、急遽パートを休まないと…」
「下の子がまだ小さいから、フルタイムで働くのは難しい」
「夫の転勤があるかもしれないから、正社員にはなりにくい」
働きたくても、時間や体力、環境の制約があって、思うように「労働収入」を増やせない。それが現実だったりします。私自身、まさにそうです。
収入を増やすより、仕組みで増やす
ここで一度、考え方を変えてみる必要があります。私たちが目指すのは、「自分の労働時間=お金」という図式から、一歩抜け出すこと。
つまり、「お金に働いてもらう仕組み」を作ることなんです。
私たちが寝ている間も、子どもと公園で遊んでいる間も、お金が自動的に(もちろんリスクはありますが)増えていってくれる。そんな「仕組み」を持つことが、これからの時代、すごく大切になってくると感じています。
なぜなら、日本は今、歴史的な「インフレ(物価上昇)」の真っ只中にいるからです。
【データ】銀行預金の「目減り」という現実
例えば、2023年の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、前年比で+3.1%上昇しました(※総務省統計局データより)。
これは、去年10,000円で買えていたものが、今年は10,310円出さないと買えなくなった、ということです。一方、大手銀行の普通預金の金利はどれくらいかご存知ですか?
なんと年0.001%(2024年4月時点)が一般的です。100万円を1年間預けても、たった10円(税引前)しか増えません。
物価が3.1%上がっているのに、お金は0.001%しか増えない。
つまり、銀行にただ預けているだけのお金は、実質的に「価値が減っている(目減りしている)」のと同じことなんです。
「節約して、コツコツ貯金しているのに、なぜか生活がラクにならない…」
その正体は、この「インフレーション(物価高)」かもしれません。
だからこそ、物価の上昇(インフレ率)に負けないくらい、せめて同じくらいは、お金にも「増える」努力をしてもらう必要があるんです。
それが「資産運用」や「投資」と呼ばれるものです。
資産運用の目的は“将来の自由時間”をつくること
「投資」と聞くと、どうしても「一攫千金」「ギャンブル」みたいなイメージがあって、敬遠してしまいませんか? 私もそうでした。
でも、私たちが目指す資産運用は、デイトレードみたいにパソコンに張り付いて、毎日ハラハラドキドキするものではありません。
目的は、「将来の不安を減らし、自由な時間を増やすこと」。
- 子どもが「この大学に行きたい!」と言ったときに、「お金のことは気にしなくていいよ」と笑顔で送り出してあげたい。
- 老後、お金の心配ばかりするのではなく、夫婦で趣味や旅行を楽しみたい。
- もしかしたら、パートの時間を少し減らして、自分のやりたかったことに挑戦する時間を作れるかもしれない。
そのために、今から「お金が働く仕組み」を少しずつ、コツコツと育てていく。
それが、私たちママにとっての「お金を増やす」ということなんだと思います。
では、その「仕組み」を作るために、何から始めればいいのでしょうか?
まずは、投資で失敗しないための「3つの原則」を知るところから始めましょう。
初心者が知っておくべき資産運用の3原則
「お金の仕組みづくり」=「資産運用」が大切なのは分かったけど、やっぱり「損するのが怖い」という気持ち、ありますよね。
私も勉強するまで知らなかったのですが、実は、投資の世界には「これを押さえておけば、大きな失敗をしにくくなる」と言われている、「資産運用の3原則」というものがあるんです。
それは、「長期」「分散」「積立」の3つです。
これ、金融庁も「資産運用を始める前に知っておいてほしいこと」として、すごく強調しているポイントなんです。
難しい専門用語を覚える前に、まずはこの3つの「お守り」をしっかり理解していきましょう。
① 長期──「時間」が最大の味方になる
まず一つ目の原則は「長期」です。これは、「投資は短距離走じゃなくて、マラソンだよ」ということです。
「昨日買った株が今日上がった!下がった!」と一喜一憂するのではなく、5年、10年、できれば15年、20年という長いスパンで資産を「育てていく」イメージです。
なぜ「長期」がいいの?
理由は、「複利(ふくり)の効果」を最大限に活かせるからです。
「複利」って、アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ(とも言われている)ほど、すごい力を持っているんです。
簡単に言うと、「利息が利息を生む」仕組みのこと。
例えば、100万円を年利5%で運用できたとします。
- 単利の場合:
1年目:100万円 → 105万円(+5万円)
2年目:105万円 → 110万円(+5万円)
10年目:150万円
(元本の100万円に対して、毎年5万円の利息がつく)- 複利の場合:
1年目:100万円 → 105万円(+5万円)
2年目:105万円 → 110万2500円(+5万2500円)
10年目:約162万8890円
(元本+利息の合計額に対して、利息がつく)10年後には、単利と比べて約12万8000円も差がつきました。
投資期間が長くなればなるほど、この差は雪だるま式に大きくなっていきます。これが「時間」を味方につけるということです。
私たち子育て世代は、子どもの教育費や自分たちの老後資金など、まさに「10年後、20年後に必要なお金」のために運用を考えているわけですから、この「長期」という考え方はピッタリですよね。
② 分散──投資先を広げてリスクを小さく
二つ目の原則は「分散」です。
これは、「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な格言に集約されています。
もし、持っているカゴを一つ落としてしまったら、中の卵が全部割れてしまいますよね。
でも、いくつかのカゴに分けて持っておけば、一つ落としてしまっても、他のカゴの卵は無事です。
投資も同じで、自分の大切なお金を一つの会社(例えば「A社の株だけ」)に集中させてしまうと、もしその会社の業績が悪くなったら、資産は一気に減ってしまいます。
具体的にどう「分散」するの?
分散には、大きく分けて2つの方法があります。
1. 資産・地域の分散:
- 株式(国内株、先進国株、新興国株)
- 債券(国内債券、先進国債券)
- 不動産(REIT)
- コモディティ(金など)
このように、値動きの傾向が違う(一方が上がれば、一方が下がるような)資産や、色々な国・地域に分けて投資することで、全体の価格変動をマイルドにする効果が期待できます。
2. 時間の分散:
- これが、次の「積立」につながる考え方です。
③ 積立──感情を排除して続ける仕組み化
三つ目の原則は「積立」です。これは、②の「時間の分散」を実践する具体的な方法です。
一度に100万円をドンと投資するのではなく、「毎月1万円ずつ」というように、決まった金額を、決まったタイミングで、コツコツと買い続けていく方法(ドル・コスト平均法と言います)です。
「投資で失敗する最大の原因」の一つが、実は「人間の感情」だと言われています。
- 値上がりしていると「もっと上がるかも!」と焦って高値で買ってしまう(高値掴み)。
- 値下がりしていると「怖い!損したくない!」とパニックになって底値で売ってしまう(狼狽売り)。
これ、人間の心理としては当たり前のことですよね。でも、投資においてはマイナスに働くことが多いんです。
積立投資は、この「感情」を排除できるのが最大のメリット。
ドル・コスト平均法のすごいところ
毎月一定額を買い続けると、自動的に「価格が高いとき(相場が過熱しているとき)は少なく買い、価格が安いとき(相場が冷えているとき)は多く買う」ことになります。
これにより、平均購入単価を平準化させる効果が期待できるんです。
「いつ買えばいいか分からない」という初心者の最大の悩みを、仕組みで解決してくれるのが、この「積立」なんですね。
「長期」「分散」「積立」——。
この3つは、どれも一攫千金を狙うような派手な方法ではありません。
むしろ、地味で、時間がかかる方法です。
でも、私たち子育てママが、仕事や家事で忙しい中でも「ほったらかし」で、感情に振り回されずに資産を育てていくには、これ以上ないくらい合理的で、安心できる方法だと思いませんか?
金融資産で増やす:積立NISA・投資信託・株式の基本
「長期・分散・積立」の3原則が、私たち初心者ママのお守りになることは分かりました。
「じゃあ、具体的にその3つを実践するには、何を買えばいいの?」
「最近やたらと聞く『NISA』って、結局なんなの?」
ここが、一番知りたいところですよね!私もNISAに興味津々で、最近必死に勉強したところです(笑)
お金を増やす「仕組み」の土台として、まずは基本の「金融資産」であるNISA、投資信託、株式について見ていきましょう。
積立NISAで“初心者でも勝てる”理由
まず、結論から言うと、私たちのような投資初心者が「長期・分散・積立」を始めるのに、最強の制度が「NISA」(特に新NISAの「つみたて投資枠」)だと私は思っています。
「iDeCo(イデコ)」もよく聞きますが、あれは「個人の年金」なので、原則60歳まで引き出せないというルールがあります。もちろん節税メリットは大きいのですが、子どもの教育費など、60歳より前に必要になるかもしれないお金を準備するには、途中で引き出せるNISAの方が柔軟性があって安心かな、と私は考えています。
なぜNISAは「最強」なの?
理由はシンプルで、「投資で出た利益が、まるまる非課税になる(税金がかからない)」からです。
通常、投資信託や株で利益(売却益や配当金・分配金)が出ると、その利益に対して約20%の税金がかかります。
例えば、コツコツ積立を続けて、将来100万円の利益が出たとします。
- 通常の口座(課税口座)の場合:
100万円 × 20.315% = 約20万3,150円が税金として引かれます。
手元に残るのは、約79万6,850円です。- NISA口座の場合:
利益100万円が、まるまる手元に残ります。税金は0円です。20万円って、すごく大きいですよね…!
しかも、新しいNISAの「つみたて投資枠」で買える商品は、金融庁が「長期・積立・分散に適している」と判断した、手数料(安い信託報酬)が安い、優良な投資信託に厳選されています。
つまり、NISAは「変な商品(ぼったくり商品)」を掴まされるリスクが低く、税金面でも圧倒的に有利な、まさに「初心者が“勝てる”ように(=損をしにくいように)国が用意してくれた制度」なんです。
投資信託を選ぶときの3つの指標(信託報酬・純資産・リターン)
「よし、NISAがいいのは分かった!じゃあ、そのNISAで何を買うの?」
…となると、ほぼ自動的に「投資信託(とうししんたく)」を選ぶことになります。
投資信託とは、「投資のプロにお金を預けて、いろんな国の株や債券が詰まった『詰め合わせパック』を買ってもらう」ようなイメージです。
これ一つ買うだけで、自動的に「分散」投資(②の原則)ができてしまう、優れものです。
でも、NISA口座を開設して商品リストを見ると、「eMAXIS Slim なんちゃら…」「S&P500…」「オルカン…?」と、呪文のような名前がズラリと並んで、思考停止しそうになりますよね(私もなりました)。
全部を理解する必要はありませんが、最低限チェックしておきたい「3つの指標」だけ押さえておきましょう。
| チェック項目 | 見るべきポイント | しずく的ひとこと |
|---|---|---|
| ① 信託報酬(コスト) | 年率「0.2%以下」、できれば0.1%台かそれ以下。 | 長期で持つからこそ、毎年かかるコストは1円でも安い方が絶対イイ! |
| ② 純資産総額(規模) | 「数十億円以上」あり、かつ「右肩上がり」で増えているか。 | 人気があって、お金が集まっている(安定運用できている)ファンドかどうかの目安です。 |
| ③ リターン(実績) | 過去の実績がどうだったか。(※未来を保証するものではありません) | 「全世界株式(オルカン)」や「米国株式(S&P500)」など、自分が目指す指標(ベンチマーク)に沿った動きをしているか確認。 |
特に重要なのが、①の「信託報酬(コスト)」です。
例えば、信託報酬が「年1%」のファンドと「年0.1%」のファンドでは、100万円を運用したら年間9,000円も差が出ます。これが10年、20年と「複利」で効いてくるので、将来のリターンに大きな差が生まれます。
NISAで選ばれている人気のファンド(例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」など)は、この信託報酬が業界最低水準を目指してくれているので、多くの人に選ばれているんですね。
個別株投資は“育成”よりも“配当と応援”で考える
「NISA」と「投資信託」が王道なのは分かりました。でも、「株」と聞くと、やっぱり「ソニー」とか「任天堂」とか、特定の会社の株を買うイメージもありますよね。
これを「個別株投資」と言います。
これは、「投資信託(詰め合わせパック)」とは違い、一つのカゴに卵を盛る(=1社に集中投資する)行為なので、投資信託に比べてリスク(値動きの幅)は格段に大きいです。その会社が不祥事を起こしたりしたら、株価が半分以下になることも…。
なので、資産形成の「土台」には向きません。
ただ、もし個別株に挑戦するなら、私たちママにとっては、短期的な値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うデイトレードのようなやり方よりも、
- 配当金(インカムゲイン): 会社が出した利益の一部を、株主に還元してもらう。(年1〜2回)
- 株主優待: その会社の自社製品や、割引券、クオカードなどをもらう。
- 応援消費: 自分が日頃からお世話になっている、大好きな会社の株を買って「応援」する。
こういった「持ち続ける楽しみ」を目的とする方が、心の安定にもつながると思います。
家計の「余裕資金」の中で、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)の「スパイス」として少しだけ持つ、というのが健全な付き合い方かもしれませんね。
現物資産で増やす:金・銀・プラチナの特徴と投資戦略
NISAや投資信託で、世界の経済成長に合わせて資産を育てる「土台」ができたら、次に考えたいのが「守り」の資産です。
「卵を一つのカゴに盛るな(=分散)」という原則を思い出してください。
投資信託(株式や債券)が「攻め」の資産だとすれば、それらとは別の値動きをする資産を持つことで、カゴ全体のリスクをさらに下げることができます。
その代表格が、昔から「安全資産」として輝きを放ち続けている「金(ゴールド)」です。
最近、金価格が史上最高値を更新!なんてニュース、よく見かけませんか?
私も「なんで今、金がそんなに人気なの?」と気になって調べてみました。
なぜ「金」はインフレ・有事に強いのか
「金」がなぜ「安全資産」と呼ばれるのか。それは、株式や債券とは全く違う、「実物資産(現物資産)」としての価値があるからです。
「金」が持つ、他の資産にはない価値
- それ自体に価値がある(価値の保存):
金は、その美しい輝きや希少性から、大昔から「価値があるもの」として世界共通で認められてきました。- 発行元がない:
株式は「企業」が倒産すれば紙切れになるリスクがあります。通貨(日本円など)は「国」の信用がなくなれば価値が暴落します(=ハイパーインフレーション)。
でも、金は「地球(自然)」が生み出したものであり、誰かが発行しているわけではないので、「無価値」になるリスクが極めて低いんです。- インフレに強い:
(H2-1でも触れましたが)インフレは、モノの価値が上がり、お金(通貨)の価値が下がることです。金は「モノ」の代表格なので、インフレが起こると、通貨に対して金の価値(価格)は上がる傾向があります。- 有事に強い:
戦争やパンデミック、金融危機など、世界が不安定になると、人々は株式や通貨よりも「確実な価値」を持つ金を買い求めます。そのため、「有事の金」と呼ばれたりします。
まさに、NISAで買う投資信託(=世界の経済成長に期待する資産)が不調なときに、代わりに輝いてくれる「お守り」のような存在なんですね。
銀とプラチナの役割──“工業需要と分散資産”
金と同じ「貴金属」の仲間として、「銀(シルバー)」や「プラチナ」もあります。これらは、金とどう違うのでしょうか?
一番の違いは、「工業製品としての需要」が価格に大きく影響することです。
- 銀(シルバー):
太陽光パネルや、EV(電気自動車)、スマホなどの電子部品に欠かせない素材です。金よりも工業用需要の割合が非常に高いのが特徴です。 - プラチナ:
主に自動車の排気ガスを浄化する「触媒」として使われてきました。最近は、水素エネルギー関連での需要も注目されています。
つまり、銀やプラチナは、「金」と同じ「実物資産」としての側面を持ちつつも、「世界経済(景気)が良くなると、工業需要が高まって価格が上がる」という、株式に近い側面も持っています。
金とはまた少し違う値動きをするため、これらを組み合わせることで、さらに「分散」効果を高める狙いがあります。
純金積立・地金・ETFの違い(手数料・保管コスト比較)
「じゃあ、金を買いたい!と思ったとき、どうやって買えばいいの?」
「金」への投資には、主に3つの方法があり、それぞれコストや手軽さが異なります。
| 投資方法 | 特徴・メリット | 注意点・デメリット |
|---|---|---|
| ① 純金積立 | 証券会社や貴金属店で、毎月決まった額(1,000円~)でコツコツ金を買う。自動で「積立」できる。 | 購入時・売却時に手数料がかかる。年会費や保管料がかかる場合も。 |
| ② 地金(現物) | いわゆる「金の延べ棒(ゴールドバー)」や金貨を、貴金属店などで直接購入する。 | 手元に現物が残る安心感。500g未満はバーチャージ(手数料)が割高に。盗難・紛失リスク(保管コスト)がかかる。 |
| ③ 金ETF(上場投資信託) | 証券取引所に上場している「金」に関連する投資信託を、NISA(成長投資枠)でも買える。 | 株式と同じようにリアルタイムで売買できる。信託報酬(保管コスト)が安い傾向。現物(地金)への交換はできない場合が多い。 |
私たちのような初心者で、「お守り」としてコツコツ始めたい場合は、①の「純金積立」か、③の「金ETF」(NISA枠も使える)が手軽で現実的かもしれません。
特に純金積立は、H2-2で学んだ「ドル・コスト平均法」が使えるので、「高値掴み」のリスクを減らしながら、長期で金を積み立てていくことができます。
実物資産をポートフォリオに入れる最適比率(例:5〜10%)
「金」が守りの資産として優秀なのは分かりました。
でも、忘れてはいけないのが、「金は金利や配当を生まない」ということです。
株なら配当金、債券なら利息がもらえますが、金は持っているだけでは1円も生み出しません。あくまで、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙う資産です。
だから、資産のすべてを金にするのは、明らかにやりすぎです。
資産運用の世界では、自分の資産全体(ポートフォリオ)のうち、「5%〜10%」程度を「金」などの実物資産に充てるのが、分散効果としてちょうど良いバランスだ、と言われることが多いようです。
まずはNISAなどで「攻め(育てる)」の土台をしっかり作りつつ、その一部を「守り(金)」で固める、というイメージですね。
デジタル資産で増やす:仮想通貨投資の現実とリスク管理
さて、NISA(金融資産)や金(実物資産)で、資産の「土台」と「守り」を固めてきました。
最後に、この記事のテーマである「お金を増やす仕組み」の中で、今もっとも話題性が高く、同時にもっとも「危ない」イメージがある資産についても触れておきたいと思います。
そう、「仮想通貨(暗号資産)」です。
「ビットコインで億万長者(億り人)になった」
「でも、大暴落して全財産失った」
こんな両極端な話ばかりが聞こえてきて、「私たち子育てママには、一番縁遠いギャンブルでしょ?」と思っていませんか?
ええ、私もつい最近まで、心の底からそう思っていました(笑)
「あんなの、実体がないただのデジタルデータでしょ?」と。
でも、NISAの勉強と合わせて調べていくうちに、ちょっと見方が変わってきた部分もあるんです。
仮想通貨は「投機」ではなく「新しい資産クラス」
確かに、数日で価格が2倍になったり半分になったりする仮想通貨は、「投資(=長期で育てる)」というより「投機(=ギャンブル)」の側面が強いのは事実です。
でも最近、アメリカで「ビットコイン」の投資信信託(ETF)が承認されたり、大きな企業が「会社の資産」としてビットコインを保有し始めたりするニュースが出てきました。
これは、一部の人たちの間で、「ビットコイン」がただのギャンブルの道具としてだけでなく、
「金(ゴールド)」のように発行上限が決まっていて希少性がある
「デジタル・ゴールド」
としての価値(=新しい資産クラス)が認められ始めている動き、とも言えるんだそうです。
とはいえ、NISAや投資信託とは比べ物にならないほど、価格変動(ボラティリティ)が激しい「超ハイリスク資産」であること。これは、絶対に、絶対に忘れてはいけません。
主要コイン(BTC・ETH・SOL)と特徴
「仮想通貨」と一口に言っても、実は何万種類もあると言われています。そのほとんどは価値がゼロになるかもしれない、まさに「宝くじ」のようなもの。
もし、この「新しい資産」に触れてみるとしたら、まずは代表的な2つ(+α)の違いだけ知っておくといいかもしれません。
| 通貨名 | 通称 | しずく的イメージ(役割) |
|---|---|---|
| ビットコイン | BTC | 「デジタル・ゴールド(金)」 発行上限が決まっていて希少性が高い。「価値の保存」手段として見られている。仮想通貨の王様。 |
| イーサリアム | ETH | 「インターネットのOS」 「スマートコントラクト」という技術が革新的。NFTやWeb3.0サービスの「基盤」として使われる。 |
| その他(SOLなど) | アルトコイン | 「挑戦者たち」 イーサリアムより高性能な「基盤」を目指すもの(SOL:ソラナなど)や、ジョークから生まれたものまで玉石混交。 |
まずは、この世界で「金」の役割を期待されているビットコイン(BTC)と、新しいインターネットの「インフラ」になろうとしているイーサリアム(ETH)。この2つが中心なんだな、と理解しておけば十分そうです。
取引所の選び方と管理リスク(国内・海外・ハードウォレット)
仮想通貨を始めるには、まず「取引所」で口座を開く必要があります。
ここで注意したいのが、「海外」の取引所ではなく、必ず金融庁の認可を受けている「国内」の取引所(コインチェック、bitFlyer、GMOコインなど)を選ぶことです。
海外の取引所は、過去に突然倒産して、預けていた資産が一切戻ってこない(!)という大事件(FTX破綻など)も起きています。日本の法律で守られていない場所は、避けるのが賢明です。
また、国内の取引所でも、「ハッキング」のリスクはゼロではありません。
だからといって、自分で「ハードウェアウォレット」という専用の機器に移して管理するのは、今度は「パスワード(秘密鍵)を紛失したら二度と取り出せない」という自己管理の重いリスクを負うことになります。
まずは信頼できる国内大手で、失っても生活に響かない「少額」から試すのが、現実的な付き合い方ですね。
税金・確定申告・損益通算の基礎知識
そして、仮想通貨に手を出す前に、絶対に知っておかなければならない、最大の落とし穴が「税金」です。
NISAが「利益が非課税」という天国のような制度だったのに対し、仮想通貨は地獄(?)かもしれません…。
仮想通貨のヤバい税金ルール(※2024年11月時点)
- 税率がめちゃくちゃ高い(可能性がある)
仮想通貨の利益は、原則「雑所得」という区分になります。これは、パート代(給与所得)などと合算され、所得が多いほど税率が上がる「累進課Dze」が適用されます。
利益が大きくなると、住民税と合わせて最大55%も税金で持っていかれます。(※NISAは0%、NISA以外でも株式や投資信託は「申告分離課税」で一律約20%)- 損しても、他と相殺(損益通算)できない
株で損が出たら、他の株の利益と相殺できますが、仮想通貨の損失は、株や給与所得とは一切相殺できません。- 確定申告が(ほぼ)必須
年間20万円(※給与所得者の場合)を超える利益が出たら、自分で計算して「確定申告」しなければなりません。「利益が出た!ヤッター!」と喜んでいたら、翌年、利益の半分近い税金を請求されて青ざめる…というのが、本当によくある怖い話なんです。
NISAや金とは全く別次元の「超ハイリスク資産」であり、税制面でも非常に不利。
もしポートフォリオに入れるとしても、それは資産形成の「土台」ではなく、失っても笑っていられる「宝くじ」や「お守り」として、全体のほんの一部(例えば1%〜5%以内)に留めておくのが、私たちママの健全なスタンスだと私は思います。
自分のリスク許容度別ポートフォリオ例(3タイプ)
さて、ここまで「お金を増やす仕組み」として、
1. 金融資産(NISA・投資信託):土台・攻め
2. 実物資産(金):守り
3. デジタル資産(仮想通貨):宝くじ・スパイス
という、性格の違う3つの資産を見てきました。
「色々な資産があるのは分かったけど、結局、私はどれを、どれくらい買えばいいの?」
そう思いますよね。
この「資産の組み合わせ」のことを、専門用語で「ポートフォリオ」と言います。
そして、この「正解」は、人によって全く違います。
なぜなら、その人の「リスク許容度」…つまり、「どれくらいの損失までなら、夜も眠れるか」が違うからです。
「リスク許容度」は、その人の年齢(運用できる期間)、家族構成、収入、そして何より「性格」によって決まります。
- 「投資したお金が1円でも減るのは耐えられない!」という人
- 「半分になっても、まあ長期だから」とドンと構えていられる人(私はこっちになりたい…)
ここでは、あくまで「例えば」ですが、私たち子育て世代が考えやすい3つのポートフォリオの型を考えてみました。
(※これは投資助言ではありません。あくまで「こういう考え方があるよ」という参考です!)
守り重視型(預金・投信・金)
- 性格タイプ: 「投資は怖い。元本割れは絶対にイヤ。でも、銀行預金の目減り(インフレ)も気になる…」
- イメージ: リスクを最小限に抑えつつ、インフレ負けしない程度のリターンを目指す。
| 資産クラス | 割合(例) | 役割・理由 |
|---|---|---|
| 預金・現金 | 50% | 生活防衛資金(何かあったときのお金)。心の安定剤。 |
| 投資信託 | 40% | NISAでインデックスファンド(全世界株など)。世界の経済成長についていく。 |
| 金(実物資産) | 10% | インフレ・有事への「お守り」。株が下がった時の保険。 |
| 仮想通貨 | 0% | 価格変動が怖すぎるので、やりません。 |
まずは「安心」が第一。資産の半分は「円」で持っておき、残りの半分で「分散」と「インフレ対策」をしっかり行う、鉄壁の守りタイプです。
バランス型(投信・ETF・金・仮想通貨10%)
- 性格タイプ: 「リスクは取りたくないけど、やっぱり効率よく増やしたい。NISAも金も、少しなら仮想通貨も…」
- イメージ: NISAを土台に、実物資産とデジタル資産を「スパイス」として加えて、分散効果とリターン向上を両立させる。
| 資産クラス | 割合(例) | 役割・理由 |
|---|---|---|
| 預金・現金 | 30% | 生活防衛資金(守り重視型よりは少なめ)。 |
| 投資信託/ETF | 55% | NISA枠をフル活用。ここが資産形成の「エンジン」部分。 |
| 金(実物資産) | 10% | エンジンが不調の時の「守り」。 |
| 仮想通貨 | 5% | 「宝くじ」枠。ビットコインやイーサリアムを少額だけ。無くなっても泣かない。 |
これが、今の私が目指したいと思っているバランスに近いかもしれません。
「土台」であるNISA(投信)をしっかり育てつつ、金と仮想通貨という「相関性(値動き)が低い」資産を持つことで、ポートフォリオ全体を安定させる狙いです。
挑戦型(株・ETF・仮想通貨・金属分散)
- 性格タイプ: 「まだ30代(40代)で運用期間は長い。リスクを取ってでも、将来の資産を最大化したい!」
- イメージ: 現金の比率を下げ、ハイリスク・ハイリターンな資産の割合を高めて、積極的に「攻める」タイプ。
| 資産クラス | 割合(例) | 役割・理由 |
|---|---|---|
| 預金・現金 | 10% | 生活防衛資金(最低限)。 |
| 投資信託/ETF | 50% | エンジン部分。S&P500やレバレッジ商品など、攻めの投信も。 |
| 個別株 | 15% | 配当金や優待目的+応援したい企業。 |
| 金・銀・プラチナ | 10% | 実物資産。金だけでなく、銀やプラチナにも分散。 |
| 仮想通貨 | 15% | 新しい資産クラスに大きく張る。BTC/ETH以外にも挑戦。 |
これは、かなり「リスク許容度」が高い人向けです。
価格変動が激しいので、日々の値動きにハラハラしてしまう人(私とか…)には向きません。
「自分は長期で見てるから」という強いメンタルと、資産の性質(特に仮想通貨の税金!)を深く理解していることが前提の、上級者向けポートフォリオですね。
お金を増やした後に考える「お金を活かす」ステップ
ここまで、「お金を増やす仕組み」として、NISAから金、仮想通貨まで、いろんな資産について一緒に見てきました。本当にお疲れ様でした!
「なんだか、私にもできるかも」
「まずはNISAの口座開設から調べてみようかな」
もし、そう思っていただけたら、この記事を書いた私もすごく嬉しいです。
でも、最後に一つだけ。
私たちが「お金を増やす」のは、一体なんのためだったでしょうか?
増やした資産をどう使うか?──“資産の出口戦略”
「お金を増やす」ことに夢中になると、つい「口座の数字が増えていくこと」自体が目的になってしまいがちです。(銀行預金の残高が増えていくのを見てニヤニヤするのと、ちょっと似てますよね)
でも、私たちが「お金を増やす仕組み」を知りたいと思ったキッカケは、
- 「子どもの将来の選択肢を、お金で狭めたくない」
- 「老後、お金のことで不安になりたくない」
- 「もっと家族との時間を、心豊かに楽しみたい」
…といった、「将来の不安を減らし、豊かに暮らすため」だったはずです。
投資の世界では、「入口(いつ買うか)」と同じくらい「出口(いつ売るか)」が難しい、と言われます。これを「出口戦略」と呼びます。
せっかくNISAや純金積立でコツコツ育てた大切な資産も、市場が暴落したときに慌てて全部売ってしまったり(狼狽売り)、逆に「まだ増えるかも」と欲張って、肝心な「使うタイミング」を逃してしまっては、元も子もありません。
例えば、こんな「出口戦略」
- 目的別に取り崩す:
「子どもが大学に入学するタイミングで、必要な学費の分だけを売却する」
「65歳になったら、公的年金の足しとして、毎月5万円ずつ引き出す」
このように、最初に決めた「目的」に合わせて使うのが、一番シンプルで分かりやすい方法です。- ルール(定率)で取り崩す:
老後の資産運用でよく言われる「4%ルール」のように、「毎年、資産全体の4%ずつ引き出して生活費にする」といったルールを決めて、資産(元本)をできるだけ長持ちさせながら使う方法もあります。
まだ4歳と7歳の子どもがいる私にとって、この「出口」を具体的に考えるのは、正直まだ少し先のことかもしれません。
でも、「何のために、私は今この積立ボタンを押してるんだっけ?」という「目的」だけは、忘れないようにしたいな、と思っています。
「お金を活かす」カテゴリへの導線(住宅購入・再投資・生活改善)
お金は、「持っているだけ」ではただの数字です。
それを「使う(活かす)」ことで、初めて私たちの生活を豊かにしてくれます。
- 増やしたお金の一部を使って、ずっと悩んでいた「マイホームの頭金」にする。
- NISAで得た利益(分配金)をすぐに使わず「再投資」して、さらに「複利」の力を高め、将来もっと大きく活かす。
- 少し余裕ができたお金で、「時短家電(食洗機やロボット掃除機)」を買って、家事の負担を減らし、子どもと向き合う時間を増やす。
- パートの時間を少し減らして、新しい「働き方」や「スキルアップ」に挑戦する時間をつくる。
そう、このサイト「家事トク」で私が日々研究している「節約」や「時短」、「ママの働き方」といったテーマも、すべては「お金と時間をどう賢く活かすか」という点で、今日の「お金を増やす」話と深く繋がっているんです。
「お金を増やす仕組み」づくりは、あくまで「手段」の一つ。
その先にある「家族との豊かな時間」という「目的」のために、私も、皆さんと一緒に、これからも学び続けていきたいと思います!