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楽天証券NISAの成長投資枠とは?つみたて投資枠との違いと使い分けの考え方

「新NISAになって、つみたて投資枠と成長投資枠の2つができたけれど、どう使い分ければいいのか分からない」
このような疑問を持つ人が増えています。特に「成長投資枠」という名前から、「何か特別な、リスクの高い投資をしなければならないのでは?」と身構えてしまうケースが少なくありません。

例えば、将来のために資産形成を始めたBさん(30代会社員)もその一人です。「つみたて投資枠の設定はできたけれど、成長投資枠についてはよく分からず、個別株を選ぶ自信もないため放置している」と話します。

SNSなどの口コミでも「成長投資枠は上級者向け」「枠を使い切らないと損をする気がする」といった声が散見されますが、制度の仕組みを正しく理解すれば、決して難しいものではありません。

本記事では、楽天証券のNISAを利用する初心者に向け、操作方法や具体的な銘柄選びの前に知っておくべき「成長投資枠の役割と使い方」を整理します。曖昧なまま進めて後悔しないよう、まずは判断の基準を明確にしましょう。

楽天証券NISAの「成長投資枠」とは?つみたて投資枠との違い

まず押さえておきたいのは、成長投資枠とつみたて投資枠は「別々の口座」ではなく、一つのNISA口座の中にある「2つの部屋」のようなものだという点です。
それぞれの部屋には、入れられる金額やルールに違いがあります。

【比較表】成長投資枠とつみたて投資枠の基本ルール

楽天証券でNISAを利用する場合の、両枠の主な違いは以下の通りです。

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間の投資上限額 120万円 240万円
非課税保有限度額 1,800万円(枠の合算)
※うち成長投資枠は1,200万円まで利用可
買付方法 積立のみ 積立・スポット(一括)
対象商品 金融庁が厳選した投資信託 上場株式・投資信託など幅広い

出典:金融庁「新しいNISA」国税庁「No.2260 NISA(少額投資非課税制度)の概要」

もっとも大きな違いは「年間に投資できる金額」と「選べる商品の幅」、そして「買い方の自由度」です。つみたて投資枠が「長期・積立・分散」に適した商品に限定されているのに対し、成長投資枠はより広い選択肢から選べる設計になっています。

「成長投資枠=上級者向け」ではない理由

「成長」という言葉の響きから、「企業の成長を見越して個別株を売買する、上級者向けの枠」というイメージを持たれがちです。しかし、制度の設計上は「つみたて投資枠よりも自由度が高い枠」と捉えるのが正確です。

必ずしも個別の企業の株を買う必要はありません。後述するように、つみたて投資枠と同じ投資信託を購入することも可能です。
「上級者向けだから自分には関係ない」と切り捨てるのではなく、「つみたて投資枠だけでは足りない部分を補うための枠」と考えると、活用のイメージが湧きやすくなります。

非課税のメリットは同じ?誤解しやすいポイント

「成長投資枠の方が、税制上のメリットが大きい(あるいは小さい)のでは?」と疑問に思う人もいますが、基本的な非課税のメリットは同じです。

どちらの枠で利益が出ても、通常約20%かかる税金がゼロになります。また、どちらの枠も売却すれば翌年に非課税枠(簿価残高分)が復活する仕組みも共通です。
「どちらが得か」ではなく、「どの商品を、どういう方法(積立か一括か)で買いたいか」によって使い分けるのが基本となります。

成長投資枠で「買えるもの・買えないもの」のルール

楽天証券の成長投資枠は、つみたて投資枠に比べて選べる商品が圧倒的に多いのが特徴です。しかし、何でも買えるわけではありません。ここでは選択肢の広さと、制度上の除外ルールについて解説します。

投資信託・ETF・個別株…楽天証券での取扱範囲

楽天証券の成長投資枠では、主に以下のような商品を購入できます。

  • 国内株式(単元未満株「かぶミニ」含む)
  • 外国株式(米国株、中国株、アセアン株など)
  • 投資信託(つみたて枠対象外の商品も含む)
  • ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)

つみたて投資枠では買えない「米国企業の個別株」や「高配当株ETF」、あるいは「つみたて投資枠の基準には入らなかったアクティブ運用の投資信託」なども購入可能です。
選択肢が広い分、自身のリスク許容度に合わせた商品選びが重要になります。

出典:楽天証券「NISA成長投資枠の対象商品」

注意したい「対象外」の商品と制度の意図

一方で、すべての金融商品が対象ではありません。新NISA制度では、「安定的な資産形成」を促進するため、長期投資に適さないと判断された以下のような商品は除外されています。

  1. 整理・監理銘柄(上場廃止の恐れがある株式)
  2. 信託期間20年未満の投資信託(短期間で運用が終わるもの)
  3. 高レバレッジ型の投資信託(日経平均の2倍の値動きを目指すものなど)
  4. 毎月分配型の投資信託(分配金を頻繁に出し、元本を取り崩す恐れがあるもの)

これらの除外ルールがあること自体が、NISAが「ギャンブル的な短期売買」ではなく「中長期的な資産形成」を目的としていることの裏返しと言えます。

出典:投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」

初心者が迷う「つみたて枠対象商品」との重複

ここが初心者にとって最も重要なポイントですが、成長投資枠で「つみたて投資枠対象の投資信託」を買うことも可能です。

例えば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のような人気商品を、つみたて投資枠で月10万円(年間120万円)満額設定し、さらに追加で買いたい場合、成長投資枠を使って同じ商品を購入することができます。

無理に違う商品(個別株など)を探さなくても、「いつもの投資信託を、枠を広げて買う」という使い方ができる点は覚えておきましょう。

成長投資枠は「積立」と「スポット購入」どちらで使うべき?

つみたて投資枠はその名の通り「積立(定額購入)」しかできませんが、成長投資枠は「積立」と「スポット購入(一括購入)」の両方が可能です。
楽天証券ではどちらの設定も簡単にできますが、この2つは役割が異なります。

「積立設定」で使うメリット(つみたて枠の拡張)

成長投資枠でも、つみたて投資枠と同じように毎月決まった日に自動で買い付ける設定が可能です。
これは主に、「つみたて投資枠の月10万円の上限を超えて投資したい人」に適しています。

例えば、毎月15万円を投資に回せる資金力がある場合、以下のように設定します。

  • つみたて投資枠:10万円(上限)
  • 成長投資枠:5万円(積立設定)

こうすることで、合計15万円分をすべて「ほったらかし投資」にすることができます。商品はつみたて投資枠と同じ投資信託を選べば、管理の手間も増えません。

「スポット購入(一括)」の位置づけと活用シーン

一方、スポット購入は「好きなタイミングで、好きな金額だけ買う」方法です。
これは、毎月の給与からではなく、まとまった資金が手に入った時に役立ちます。

  • ボーナスが入った時
  • 銀行に眠っていた預金を投資に移したい時
  • 株価が大きく下がったタイミングで買い増したい時

積立設定を変更するのは手間がかかりますが、スポット購入ならその都度注文を出すだけなので、臨時収入の活用に適しています。

どちらが正解ではなく「目的」で使い分ける視点

「積立と一括、どちらが得か?」という議論もありますが、正解は相場の動き次第であり、事前には分かりません。そのため、ご自身の資金の性質に合わせて使い分けるのが合理的です。

  • 毎月の収入からコツコツ積立設定
  • 手元のまとまった資金を活用スポット購入

無理にタイミングを計ろうとせず、まずはご自身の家計状況に合った方法を選ぶことが、長く続けるコツです。

成長投資枠でよくある勘違いと失敗パターン

自由度が高い分、成長投資枠には思わぬ落とし穴もあります。特に制度開始直後や、投資に慣れてきた頃に陥りやすい「よくある失敗」を整理しました。

「枠を使い切らないと損」という思い込みの落とし穴

年間240万円という大きな枠があると、「できるだけ埋めないと損だ」という心理が働きがちです。しかし、これは危険な考え方です。

NISAの枠はあくまで「非課税で投資できる権利」であり、「投資しなければならない義務」ではありません。枠を埋めるために無理をして生活費(生活防衛資金)まで投資に回してしまうと、急な出費があった際に損をしている状態で売却せざるを得なくなるリスクがあります。
「枠は余っていてもいい」と割り切り、余剰資金の範囲内で利用しましょう。

つみたて枠の延長で考えると起きる「管理の煩雑化」

「せっかくだから色々な商品を買ってみよう」と、成長投資枠で多数の投資信託や個別株を少しずつ購入するケースも見られます。
しかし、保有商品が増えすぎると「何のために持っているのか」「今どのくらい利益(損失)が出ているのか」が把握しづらくなります。

特に投資初心者のうちは、商品はシンプルに絞っておく方が、値動きに一喜一憂せず冷静な判断がしやすくなります。

「買付可能額0円」で混乱する理由(制度視点)

楽天証券の画面で「買付可能額」が0円やマイナスになっていて、「なぜ買えないの?」と混乱するケースがあります。
これは、年間の投資枠(240万円)を使い切った場合だけでなく、「受渡日(うけわたしび)」の関係で年内の枠に間に合わない場合にも発生します。

投資信託や株式は、注文した日(約定日)と、実際に代金の受け渡しが行われる日(受渡日)に数日のズレがあります。年末ギリギリに注文を出しても、受渡日が翌年になると「翌年の枠」を使うことになります。
特に年末の駆け込み利用を考えている場合は、この「日付のズレ」に注意が必要です。

出典:日本証券業協会「NISA口座の利用状況に関する調査」等の傾向より一般的な注意点を整理

結論:成長投資枠は「いつ・どんな人」が使う枠か

ここまで成長投資枠の仕組みを見てきましたが、結局のところ、ご自身は今すぐ使うべきなのでしょうか?
最後に、判断の基準をまとめます。

まずは「つみたて投資枠」を優先すべき論理的理由

投資初心者で、まだ月々の投資額が10万円(年間120万円)に達していない方は、無理に成長投資枠を使う必要はありません。
まずは「つみたて投資枠」を埋めることを最優先にしてください。

つみたて投資枠の商品は、金融庁が「長期・積立・分散」に適していると認めたものに限られており、初心者にとって大きな失敗をしにくい設計になっています。資産形成の土台を作る段階では、ここをしっかり活用するのが王道です。

成長投資枠を使い始めるタイミングの目安

では、どんな時に成長投資枠の利用を検討すべきでしょうか。主な目安は以下の2点です。

  1. 資金に余裕がある場合:つみたて投資枠の月10万円を超えて、さらに資金を投入できる時。
  2. 特定の目的がある場合:株主優待が欲しい、応援したい企業がある、あるいは高配当ETFで配当金を受け取りたいなど、明確な目的を持って個別株等を買いたい時。

このどちらかに当てはまった時が、成長投資枠の「使いどき」です。

次のステップ:具体的な設定や銘柄選びに進むために

「成長投資枠の使い方は分かった。じゃあ具体的にどうやって買うの?」
「つみたて枠と同じ商品でいいなら、どの銘柄がおすすめ?」

仕組みが理解できたら、次は実践です。実際の画面操作や、具体的な商品の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。ご自身の目的に合わせて、次のステップへ進んでください。

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