「NISAを始めようと楽天証券に口座を作ったけれど、アプリが複数あってどれを使えばいいか分からない」
これから資産形成を始める方から、このような戸惑いの声が多く聞かれます。特にスマートフォンで手続きを完結させたい場合、「iSPEED(アイスピード)」や「iGrow(アイグロー)」、さらにWebブラウザ版の画面など、入口が多岐にわたるため混乱しやすいのが現状です。
「間違ったアプリを使うと手続きできないのでは」「管理が複雑になりそう」といった不安を感じる方もいますが、それぞれのアプリには明確な「得意分野」があります。
本記事では、楽天証券でNISAを利用する際に「どのアプリを、何のために使うべきか」を整理します。まずはツールの役割を理解し、自分の投資スタイルに合ったアプリを選びましょう。
※本記事ではアプリの使い分けを解説します。具体的な銘柄選びや購入手順については、別記事で解説しています。
楽天証券のNISAで使うアプリは何種類ある?
楽天証券での取引や確認に使えるスマートフォン向けアプリは複数存在しますが、NISA(少額投資非課税制度)を利用する一般の個人投資家が主に関わるのは以下の2つです。
楽天証券で使う主なアプリ一覧
- iSPEED(アイスピード)
これまで楽天証券のメインアプリとして使われてきたツールです。株価のチェック、チャート分析、注文など、投資に必要な機能が網羅されています。情報量が非常に豊富ですが、その分、初心者にはボタンやメニューが多く感じられることがあります。 - iGrow(アイグロー)
「資産づくり」に特化した、比較的新しいアプリです。現在の資産残高や、投資信託の積立状況を確認することに主眼が置かれています。機能が絞り込まれており、画面がシンプルで見やすいのが特徴です。
このほかに、連携して使う「楽天銀行アプリ」などもありますが、証券口座の管理としては上記2つが基本となります。
Web版とアプリの役割の違い
アプリとは別に、SafariやChromeなどのブラウザで見る「Webサイト(PC版/スマートフォン版)」も重要な役割を持っています。
- アプリ(iSPEED / iGrow):
日々の価格チェックや、資産が増えているかどうかの確認、一部の注文操作に便利です。ログインが簡単で、素早く状況を把握することに長けています。 - Webサイト:
すべての設定・手続きが可能です。特に「NISA口座の初期設定」や「複雑な登録情報の変更」、「投資信託の積立設定の細かい変更」などは、アプリからWebサイトへ移動して行うケースが多くあります。
「全部入れる必要はある?」という疑問
結論から言えば、すべてのアプリをインストールする必要はありません。
「iSPEED」と「iGrow」の両方を入れておくのが便利ではありますが、自分の投資スタイル(投資信託の積立だけなのか、個別株も買うのか)によっては、どちらか片方だけで十分な場合もあります。
「とりあえず全部入れなければ」と焦る必要はなく、用途に合わせて使い分けるのが賢い方法です。
出典
楽天証券|iSPEED(アイスピード)(2026/01/25確認)
楽天証券|資産づくりアプリ「iGrow(アイグロー)」(2026/01/25確認)
iSPEEDとiGrowの違いを一言で言うと?
2つのアプリの違いを整理すると、「iSPEEDは『取引』重視、iGrowは『管理』重視」と言えます。それぞれの特徴と、どのような人に向いているかを見ていきましょう。
iSPEEDが向いている人
iSPEEDは、「自分で積極的に売買したい人」や「企業の株(個別株)を買いたい人」に向いています。
- 特徴:
- リアルタイムの株価変動が見られる
- 日本株や米国株の注文ができる
- ニュースや企業情報の閲覧機能が充実している
- こんな人におすすめ:
- NISAの「成長投資枠」を使って、特定の企業の株を買いたい
- 毎日の値動きを細かくチェックしたい
- 高機能なツールを使いこなしたい
iGrowが向いている人
iGrowは、「投資信託でコツコツ積立をしたい人」や「ほったらかし運用がメインの人」に向いています。
- 特徴:
- 現在の資産総額が一目でわかる
- 「資産が増えたか減ったか」の推移グラフが見やすい
- 投資信託の積立管理に特化している
- 難しい用語や複雑なメニューが少ない
- こんな人におすすめ:
- NISAの「つみたて投資枠」がメイン
- 日々の細かい値動きよりも、長期的な資産の増減を知りたい
- 難しい操作は苦手なので、シンプルに使いたい
初心者が混乱しやすいポイント
よくあるつまずきポイントとして、「iSPEEDで設定した積立内容が、iGrowで見ると少し違って見える気がする」といった混乱が挙げられます。また、「iGrowだけで全ての取引ができると思っていたら、商品によってはiSPEEDが必要だった」というケースもあります。
これらは「別々のアプリだが、中身(口座)は同じ」という点を理解すると整理しやすくなります。
どちらのアプリからログインしても、見ているのは同じ「あなたの楽天証券口座」です。窓口(アプリ)が違うだけで、中にあるお金や商品は共通です。そのため、自分のやりたい操作に合わせて、使いやすい窓口(アプリ)を選べば問題ありません。
出典
楽天証券|iSPEED for iPhone/Android 機能紹介(2026/01/25確認)
楽天証券|iGrow(アイグロー)機能紹介(2026/01/25確認)
NISAで「よくやる行動」別・おすすめアプリ
「それぞれの違いは分かったけれど、結局どの場面でどれを使えばいいの?」という疑問にお答えするため、NISA運用中によくある行動別に、最も使いやすいツールを整理しました。
まずはこちらの目安表をご覧ください。
| やりたいこと | おすすめツール | 理由 |
|---|---|---|
| 資産の増減を確認 | iGrow | グラフがシンプルで、いくら増えたか直感的に分かる |
| 投資信託の積立 | Web / iGrow | 積立専用の画面が見やすい(iGrowは一部Webへ遷移) |
| 株・ETFの購入 | iSPEED | リアルタイムの価格を見ながら注文できる |
| 住所・口座変更 | Webサイト | 手続き関係はWebブラウザで行うのが基本 |
残高・運用状況を確認したい
「今、いくら儲かっているかな?」と気になったときに最適なのはiGrowです。
iSPEEDでも確認は可能ですが、画面上に多くの数字や専門的な情報が並ぶため、投資初心者には少し複雑に見えることがあります。
一方、iGrowは「投資した金額」と「現在の評価額」の比較グラフがメインで表示されるため、パッと見るだけで運用状況を把握できます。「長期・積立・分散」というNISAの基本スタイルにおいて、日々の細かい値動きに一喜一憂しすぎないためにも、シンプルなiGrowでの確認が適しています。
積立設定を見直したい
毎月の積立金額を変えたり、引き落とし方法(クレジットカードや楽天キャッシュなど)を変更したりする場合は、Webサイト(スマートフォン版/PC版)での操作が最も確実です。
iGrowアプリ内からも積立設定の変更画面には進めますが、最終的にWebブラウザの画面が立ち上がって手続きを進めるケースが多くあります。
特に、年に数回のボーナス設定や、楽天カードの認証が必要な変更を行う際は、最初からWebサイトにログインして操作するほうが「画面が行ったり来たりするストレス」を減らせます。
スポット購入(単発買い)したい
毎月の積立とは別に、手元の資金で一度だけ購入する「スポット購入」を行いたい場合は、買う商品によってアプリを使い分けます。
- 投資信託を買う場合: iGrow または Webサイト
「ランキング」や「おすすめ」から選びやすく、初心者向けの画面構成になっています。 - 個別株(日本株・米国株)を買う場合: iSPEED
注文の有効期限や価格指定(指値・成行)など、株式特有の細かい条件設定が必要になるため、取引機能が充実しているiSPEEDが必須です。
出典
楽天証券|スマートフォンWeb画面の操作ガイド(2026/01/25確認)
楽天証券|iSPEED 操作ガイド(2026/01/25確認)
アプリでつまずきやすいポイントと対処法
便利なアプリですが、使い始めには「ログインできない」「NISAの画面が出ない」といったトラブルもよく起こります。ここでは初心者が特につまずきやすい3つのポイントと対処法を解説します。
ログインできないとき
最も多いのが「ID・パスワードが通らない」というケースです。
楽天証券には、楽天市場などで使う「楽天会員ID」と、証券口座専用の「ログインID」の2種類が存在します。
- 初期設定時: 証券口座開設通知に記載された「ログインID」が必要になることがあります。
- 普段の利用: アプリの設定で「楽天会員ID」を連携させれば、楽天市場と同じIDでログイン可能です。
また、毎回パスワードを入力するのが手間に感じる場合は、スマートフォンの生体認証(指紋認証や顔認証)を設定しておくと、スムーズにログインできます。
NISAが表示されないとき
「iSPEEDを開いたけれど、NISAの口座が見当たらない」という声もよく聞かれます。
これは、iSPEEDがもともと「株取引(課税口座)」をメインに作られているため、初期画面がNISA用になっていないことがあるからです。
iSPEEDの場合、メニュー内の「NISA」タブを選択するか、資産照会画面で「NISA」の項目をタップすることで詳細が表示されます。
iGrowの場合は、もともと資産形成(NISA・iDeCo等)向けに設計されているため、ログイン直後のホーム画面でNISAの状況を確認しやすくなっています。
「買付可能額0円」が出る理由
「銀行にはお金が入っているのに、アプリで買おうとすると『買付可能額 0円』と出て買えない」
これも初心者が驚くポイントの一つです。
証券会社で株や投資信託を買うには、基本的に「銀行口座」から「証券口座」へお金を移動(入金)させる必要があります。楽天銀行と連携する「マネーブリッジ(自動入出金)」を設定していても、積立以外のスポット購入では手動での入金指示が必要な場合や、反映に数分かかる場合があります。
「0円」と表示されても焦らず、まずは入金メニューから資金の移動状況を確認してみましょう。
出典
楽天証券|Q&A ログインID・パスワードがわからない(2026/01/25確認)
楽天証券|入出金・振替(2026/01/25確認)
結局、初心者はどれを使えばいい?
ここまで各アプリの特徴を解説してきましたが、これからNISAを始める方が「まず何をすればいいか」の結論をまとめます。
最低限この組み合わせでスタートしよう
投資初心者で、「まずは投資信託の積立(つみたて投資枠)から始めたい」という方は、以下の組み合わせが最も迷わず、管理も簡単です。
- スマートフォンに入れるアプリ: 「iGrow」のみ
- 詳細設定・変更: 「Webサイト(ブラウザ)」
まずは「iGrow」で日々の資産状況を確認することから始めましょう。無理にiSPEEDを入れて複雑なチャートを見る必要はありません。シンプルな画面で「お金が働いている様子」を眺めることが、投資を長く続けるコツでもあります。
慣れてきたら使い分けるステップアップ
運用に慣れてきて、「成長投資枠を使って、応援したい企業の株を買いたい」「ETF(上場投資信託)に興味が出てきた」という段階になったら、その時に初めて「iSPEED」をインストールしましょう。
アプリはあくまでツールです。最初から完璧な環境を整える必要はありません。自分の投資レベルや興味の広がりに合わせて、少しずつツールを増やしていくのが、挫折しないための賢い付き合い方です。
次のステップへ
使うべきアプリが決まったら、次はいよいよ具体的な商品の購入や設定です。以下の記事では、アプリを使った実際の操作手順や、初心者が失敗しないための銘柄選びのポイントを解説しています。
▶ 【図解】楽天証券NISAの買い方完全ガイド|積立設定の手順
▶ NISA成長投資枠で何を買う?初心者におすすめの戦略と銘柄