「SBI証券の口座開設まではできた。でも、次は何をすればいいの?」
「アプリがいくつもあって、どれを使えばいいか分からない」
NISA口座を開設した直後、このような疑問で手が止まってしまうケースは非常に多いものです。SBI証券は機能が豊富で「できること」が多い反面、初心者にとっては「画面が多すぎて迷いやすい」という側面もあります。
しかし、安心してください。日常的に使う機能やアプリは限られています。
本記事では、金融知識に自信がない方でも迷わず操作できるよう、SBI証券NISAでの「買い方」と「スマホ操作の手順」を徹底解説します。「自分はこのアプリで、こう設定すればOK」と判断できる状態を目指しましょう。
SBI証券NISAの「買い方」は大きく3パターンある
操作画面を開く前に、そもそもNISAで「何を買うか」によって変わる3つのルートを整理します。自分がどの方法で資産形成をしたいか、まずはここを確認してください。
1. 投資信託を買う(初心者の王道)
NISAを利用する人の多くが選ぶのが、この「投資信託(とうししんたく)」の購入です。
- 特徴:プロに運用を任せるパック商品。
- 対応枠:つみたて投資枠、成長投資枠の両方で購入可能。
- メリット:100円から購入でき、世界中の企業へ分散投資ができるため、リスクを抑えたい初心者に最適です。
特に「つみたて投資枠」を使った毎月の自動積立は、一度設定すれば手間がかからないため、家計管理や仕事で忙しい世代から支持されています。
2. 日本株・米国株・ETFを買う(成長投資枠)
「好きな企業の株主優待が欲しい」「配当金を受け取りたい」という場合は、個別の株式やETF(上場投資信託)を選びます。
- 特徴:自分で企業や銘柄を選んで売買する。
- 対応枠:成長投資枠のみ(つみたて投資枠では買えません)。
- 注意点:投資信託に比べて値動きの幅が大きくなる傾向があります。
3. 「積立」と「スポット購入」の違い
商品が決まったら、次は「買うタイミング」を決めます。NISAでの買い方は大きく分けて以下の2つです。
| 買い方 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 積立(つみたて) | 毎月決まった日に、決まった金額(例:月3万円)を自動で引き落として買う方法。 | ほったらかしで資産形成したい人。 相場の変動を気にせず淡々と続けたい人。 |
| スポット購入 | 「今買いたい」と思ったタイミングで注文する方法。 | ボーナス時などまとまった資金で買いたい人。 株価が下がった時を狙って買いたい人。 |
NISA制度の「長期・積立・分散」というメリットを最大限に活かすなら、まずは「投資信託」×「積立」の組み合わせが最も失敗が少ない選択とされています。
出典:金融庁|NISAを知る
SBI証券NISAで使うアプリはどれ?混乱ポイントを整理
SBI証券で「買い方」を調べる際、最大のハードルとなるのがアプリの多さです。App StoreやGoogle Playで検索すると複数のアプリが表示されますが、全てをインストールする必要はありません。
目的に合わせて、以下の基準で使い分けるのが正解です。
なぜアプリが複数あるのか(初心者が混乱する正体)
SBI証券は、株取引、FX、先物など、投資商品ごとに専用アプリを開発しています。そのため、「なんでもできる万能アプリ」を探そうとすると、逆に複雑な画面に迷い込んでしまいます。
NISAで資産形成をする場合、使うアプリは実質1つか2つで十分です。
NISAで投資信託を買うなら「かんたん積立アプリ」が便利
「まずは投資信託の積立から始めたい」という方は、『SBI証券 かんたん積立 アプリ』これ一つで完結します。
- できること:投資信託の検索、積立設定、NISA枠の確認、資産残高のチェック。
- メリット:画面がシンプルで専門用語が少ない設計になっています。「つみたてNISA」という名称こそ新制度に統合されましたが、このアプリは新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方に対応しています。
複雑なチャートやニュース機能が省かれているため、誤操作もしにくく、初心者に最も推奨されるアプリです。
株を買うなら「SBI証券 株」アプリ
成長投資枠を使って、個別の日本株を買いたい場合は、『SBI証券 株 アプリ』を使用します。
- できること:日本株の検索、売買(リアルタイム注文)、株価チャートの確認。
- メリット:株価の動きを見ながら、指値(さしね)などの細かい注文が出せます。
【アプリ使い分けの結論】
● 積立メインの人 → 「かんたん積立アプリ」だけでOK。
● 株も買いたい人 → 「株アプリ」も追加でダウンロード。
最初は無理に両方使おうとせず、自分のやりたい投資に合わせてアプリを一つ選ぶところから始めましょう。
スマホで投資信託を買う流れ(初心者向け)
ここでは、初心者に最もおすすめな『SBI証券 かんたん積立 アプリ』を使った操作手順を解説します。「どのボタンを押せばいいの?」と迷ったら、この流れに沿って進めてください。
1. 商品検索から詳細ページへ
まずアプリにログインし、画面右下の「検索」アイコン(虫眼鏡マーク)をタップします。
- 特定の銘柄が決まっている場合:検索窓に商品名(例:「オールカントリー」「S&P500」など)の一部を入力します。
- 決まっていない場合:「ランキング」タブを見ると、今売れている人気商品が一覧で表示されます。初心者は「販売金額ランキング」の上位から検討するのが一般的です。
買いたい商品が見つかったら、その商品名をタップして詳細ページへ進みます。
2. 「積立設定」の重要項目(決済・コース・金額)
商品詳細ページにある「積立する」ボタンをタップすると、設定画面に移ります。ここで聞かれる項目は、以下の3つが重要です。
① 決済方法(お金をどこから払うか)
- クレジットカード:三井住友カードなどのクレカ決済です。ポイント(Vポイントなど)が貯まるため人気です。
- 現金(証券口座引落):SBI証券の口座に入金した現金から支払います。住信SBIネット銀行と連携(ハイブリッド預金)しておくと、自動入金機能が使えて便利です。
② 預り区分(どの枠を使うか)
必ず「NISA(つみたて)」または「NISA(成長)」を選択してください。
「特定/一般」を選ぶと、利益に約20%の税金がかかってしまうため注意が必要です。基本は「NISA(つみたて)」を選べばOKです。
③ 分配金コース(利益をどうするか)
ここが一番の悩みポイントですが、資産を増やしたいなら「再投資型」が推奨されます。
- 再投資型:出た利益を自動で次の投資に回します。「複利効果」で雪だるま式に資産が増えやすくなります。
- 受取型:利益を現金として受け取ります。お小遣いが欲しい人向けですが、長期的な資産形成の効率は下がります。
3. 注文完了までの確認ステップ
金額(例:月30,000円)やボーナス設定(通常は「設定しない」でOK)を入力したら「次へ」進みます。
最後に「目論見書(もくろみしょ)」の確認画面が表示されます。これは「商品の説明書」です。画面の指示に従って「確認」ボタンを押し、内容に目を通したら「同意して次へ」進みます。
最後に「取引パスワード」を入力し、「設定する」ボタンを押せば完了です。「積立設定を受け付けました」という画面が出れば、翌月から自動で積立がスタートします。
成長投資枠で株・ETFを買う流れ(最初につまずく所)
次に、個別株やETF(上場投資信託)を買いたい場合の操作です。こちらは『SBI証券 株 アプリ』を使用します。投資信託とは違い、「値段を指定する」というステップが入るのが特徴です。
成長投資枠で買える商品の範囲
NISAの「成長投資枠」では、日本株や米国株、ETFなどが購入できます。
「つみたて投資枠」の商品は金融庁が厳選した投資信託に限られますが、成長投資枠はその何倍もの選択肢があります。有名企業の株主優待を狙ったり、配当金をもらったりしたい場合は、こちらの枠を使います。
「指値」と「成行」の違いと操作
株を買う画面で、初心者が最も混乱するのが「注文方法」の選択です。大きく2つの方法があります。
| 注文方法 | 読み方 | 意味・特徴 | こんな時に使う |
|---|---|---|---|
| 指値 | さしね | 「〇〇円で買いたい」と値段を指定する注文。 指定した価格(またはそれ以下)にならないと買えません。 |
「1株1,000円まで下がったら買いたい」など、予算をきっちり決めたい時。 |
| 成行 | なりゆき | 「いくらでもいいから今すぐ買いたい」という注文。 その時の相場で即座に成立します。 |
値段よりも「確実に買うこと」を優先したい時。 |
操作のコツ:
慣れないうちは、想定外の高値で買ってしまうリスクを避けるため、「指値(さしね)」を選び、現在の株価に近い金額を入力して注文するのが無難です。
1株から買える「S株(単元未満株)」の活用法
通常、日本株は「100株単位」でしか買えません。株価が2,000円なら、最低20万円(2,000円×100株)が必要です。
しかし、SBI証券には「S株(エスかぶ)」というサービスがあります。これを使うと1株単位から購入可能です。
注文画面で「単元未満(S株)」という項目を選ぶだけで、数百円〜数千円で有名企業の株主になれます。NISA成長投資枠の余った枠(数千円分など)を使い切りたい時にも便利な機能です。
買えない・反映されないときに見るチェックポイント
手順通りにやったはずなのに「エラーが出る」「残高に反映されない」という場合、原因のほとんどは以下の3つに当てはまります。焦らず確認してみましょう。
1. 「注文できない」原因トップ3
注文ボタンが押せない、またはエラーになる場合、まずはこれらを疑ってください。
- NISA枠の不足:年間の非課税枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を使い切っていませんか?アプリの「NISA枠管理」画面で残りの枠を確認できます。
- 買付余力(かいつけよりょく)不足:口座に入金している現金が足りていないケースです。株を買う場合、手数料を含めた金額が必要です(※SBI証券のNISA国内株手数料は無料ですが、システム上、一時的に拘束される場合があります)。
- 営業時間外(メンテナンス中):メンテナンス時間は注文が通らないことがあります。特に深夜や早朝は注意が必要です。
2. 「約定(やくじょう)」と「受渡(うけわたし)」の時間差
初心者が一番不安になるのが、「買ったはずなのに、資産残高に表示されない!」という現象です。これには金融商品特有のタイムラグがあります。
- 約定(やくじょう):注文が成立すること。「買えました」という契約の時点。
- 受渡(うけわたし):実際に商品が手元に届き、代金が支払われること。
ここがポイント:
投資信託の場合、注文してから受渡(残高への反映)まで数日〜1週間程度かかります。Amazonのように「ポチッ」てすぐに履歴に出るわけではありません。「注文履歴」に載っていれば手続きは進んでいるので、数日待ってみましょう。
3. クレカ積立の「設定締切日」
クレジットカード積立を設定したのに「来月引き落とされない」というケースもあります。
SBI証券のクレカ積立には「毎月10日締め」というルールがあります(※カードの種類によって異なる場合があります)。
- 例:1月9日に設定 → 2月分から積立開始
- 例:1月11日に設定 → 3月分から積立開始
1日遅れるだけで開始が1ヶ月先になってしまうため、早めの設定をおすすめします。
結局、初心者はこの買い方から始めればOK
ここまで様々な機能を紹介しましたが、選択肢が多すぎると逆に動けなくなってしまうものです。最後に「迷ったらこれ」という結論を提示します。
迷うなら「かんたん積立アプリ」で「クレカ積立」一択
これから資産形成を始める方にとって、最も失敗が少なく、継続しやすいのは以下の組み合わせです。
- アプリ:『SBI証券 かんたん積立 アプリ』を使う
- 決済:クレジットカード決済(ポイントが貯まる)
- 方法:毎月定額の「自動積立」
- 口座:NISA(つみたて投資枠)
まずはこの「王道ルート」で設定を完了させてください。成長投資枠での株取引などは、操作に慣れてから挑戦しても遅くありません。
一度設定したら「放置」が正解
積立設定が完了したら、あとは「何もしない」のがNISA活用の最大のコツです。
毎日の値動きを見て一喜一憂する必要はありません。株価が下がった時も、自動積立なら「安くたくさん買えるチャンス(ドルコスト平均法)」になります。
パスワードを忘れてしまうくらい、どっしりと構えて「放置」しておきましょう。
次のステップ:具体的に「何」を買うべき?
「買い方はわかった。でも、肝心の商品はどれを選べばいいの?」
「ランキングの上位を買えばいいって本当?」
次回は、数千本ある商品の中から「自分に合った優良な投資信託・銘柄を見極める方法」を解説します。大切な資産を預ける先を決める、最も重要なステップです。