「コインチェックでビットコインを買ってみたけれど、買った瞬間に含み損になっている」「売ろうとすると、今の価格よりだいぶ安い金額しか表示されない」
そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
読者の方からも、「手軽に買えると聞いて始めたけれど、手数料(スプレッド)が気になって利益が出しにくい」という相談がよく寄せられます。
30代会社員 Aさんの事例(仮名)
「アプリが使いやすいので毎月積立をしていましたが、SNSで『販売所は手数料が高いから取引所を使え』という投稿を見て不安になりました。でも、アプリを見ても『取引所』がどこにあるのか分からなくて…」
実はこれ、コインチェック利用者の多くが最初にぶつかる「壁」なのです。
SNSや口コミサイトの集合知を要約すると、以下の傾向がはっきりと見えてきます。
- 「アプリは使いやすいが、販売所のスプレッド(実質手数料)は割高」
- 「コストを抑えるなら『取引所(板取引)』一択」
- 「でも、取引所の場所が分かりにくく、画面が難しそう」
本記事では、金融知識に自信がない方でも迷わず「取引所」を使いこなせるよう、販売所との違いから、スマホでの具体的な操作手順までを整理します。
「難しい言葉は苦手だけど、無駄な損はしたくない」。そんなあなたのための実践ガイドです。
コインチェックの「取引所」とは?販売所との決定的な違い
そもそも「販売所」と「取引所」、名前は似ていますが、その中身は「コンビニ」と「市場(いちば)」ほど違います。ここを理解するだけで、無駄なコストを大幅にカットできます。
ユーザー同士で売買する「板(いた)」の仕組み
最も大きな違いは、「誰と取引するか」です。
| 特徴 | 販売所(アプリの基本画面) | 取引所(板取引) |
|---|---|---|
| 取引相手 | コインチェック社 | 他のユーザー |
| イメージ | コンビニ・お店 | フリマ・市場 |
| 価格 | お店が決めた価格(手数料込み) | ユーザー同士で決めた価格 |
| 操作 | 数量を入れて「買う」だけ | 価格と数量を指定して注文 |
- 販売所(お店):
コインチェックという「お店」からコインを買います。お店の利益(手数料)が上乗せされた価格で買うため、少し割高になります。その代わり、いつでも好きな量だけすぐに買えるのがメリットです。 - 取引所(市場):
「ビットコインを売りたい人」と「買いたい人」が集まる場所です。お店を通さず、ユーザー同士で直接やり取りするため、手数料(スプレッド)がほぼかかりません。
なぜ取引所の方がコスト(スプレッド)を抑えやすいのか
「販売所の手数料は無料」と書かれていることがありますが、ここには「スプレッド」という見えないコストが含まれています。
例えば、ビットコインの市場価格が「1BTC = 1,000万円」のとき:
- 販売所: 1,030万円で買う(30万円分がお店の手数料など)
- 取引所: 1,000万円付近で、他のユーザーから直接買う
この差が、投資成績に直結します。
1万円分買う程度なら数十円〜数百円の差ですが、将来的に100万円、500万円と資産が増えていった時、この数%の差は数十万円の損失になりかねません。だからこそ、少し手間でも「取引所」を使う価値があるのです。
初心者が「取引所は難しい」と感じてしまう理由と誤解
「取引所」の画面を開くと、数字がチカチカと動き続ける表(板情報)が表示され、まるでプロトレーダーの画面のように見えます。これが「難しそう…」と敬遠される最大の理由です。
しかし、やることは実はシンプルです。
「いくらで(価格)」「どれくらい(数量)」買いたいかを入力して待つだけ。
スーパーで「タイムセールで卵が200円になったら買う」と決めて待っている感覚に近いです。仕組みさえ分かれば、決して怖いものではありません。
【迷子防止】コインチェックの取引所はどこにある?
「取引所の良さは分かった。で、アプリのどこにあるの?」
ここで多くの方が迷子になります。結論から言うと、コインチェックのアプリ(iOS/Android)には、本格的な「取引所」機能は搭載されていません。(※一部簡易機能を除く)
スマホアプリには「販売所」しかない?
これはコインチェックの仕様上の大きな特徴です。
アプリのトップ画面にある「購入」「売却」ボタンは、すべて「販売所(お店)」につながっています。
「アプリ内で一生懸命探したけど見つからなかった」という声が多いのは、そもそもアプリ内にはない(または非常に見つけにくい)からです。
※アプリの「アカウント」タブ内に「FAQ/問い合わせ」などと一緒にリンクがある場合もありますが、基本的には「アプリ=販売所」と割り切ったほうが混乱しません。
PCブラウザ・スマホブラウザでのアクセス方法
では、どうすればよいのでしょうか?
答えはシンプルで、「SafariやChromeなどのブラウザ」からコインチェック公式サイトにログインすることです。
【スマホで取引所を開く手順】
- Safari(iPhone)またはChrome(Android)を開く。
- 「コインチェック ログイン」と検索し、公式サイトからログインする。
- ログイン後のトップページを下にスクロールすると、「買い板/売り板」と書かれた数字の羅列が出てきます。
- ここが「取引所」です。
【ポイント】
毎回検索してログインするのは面倒なので、取引所のページを「ブックマーク」または「ホーム画面に追加」しておきましょう。これでアプリと同じ感覚で、ワンタップで取引所にアクセスできるようになります。
取扱通貨の違い(販売所にあって取引所にない銘柄)
もう一つ注意点があります。それは「買えるコインの種類」です。
- 販売所: 取り扱っているすべての銘柄が買える。
- 取引所: ビットコイン(BTC)など、一部の主要銘柄のみ。
「取引所でアルトコイン(マイナーなコイン)を買おうとしたら見つからない!」という場合、そのコインは販売所でしか扱っていない可能性があります。
まずは基本の「ビットコイン」を取引所で買うところから始めてみましょう。
損しないための「買い方」手順|成行と指値
ブラウザから取引所の画面を開けたら、いよいよ実際の注文です。
画面には赤い文字(売り注文)と緑の文字(買い注文)がズラリと並んでいますが、ここですべきことはシンプル。「いくらで」「どれだけ」欲しいかを伝えるだけです。
「成行(なりゆき)」と「指値(さしね)」の考え方
専門用語が出てくると身構えてしまいますが、日常生活に置き換えると簡単です。
- すぐに買いたい時(成行に近い買い方):
「今すぐ欲しいから、並んでいる商品の中で一番安いものをカゴに入れる」
→ メリット: すぐに買える。
→ デメリット: 価格はその時の相場次第。 - 安く買いたい時(指値):
「今は1個100円だけど、90円に下がったら買うと決めて予約しておく」
→ メリット: 希望通りの安い価格で買える可能性がある。
→ デメリット: その価格まで下がらなければ、いつまでも買えない。
コインチェックの取引所画面では、「成行」というボタンはありません。
基本的には「価格を指定する(指値)」形式になっていますが、入力する価格によって「すぐ買う」か「待って買う」かを調整できます。
【実践】板を使った買い方のステップ
では、実際にスマホブラウザ画面での操作手順を見ていきましょう。
手順1:板(いた)を見て価格を決める
画面中央にある数字の羅列が「板」です。
上半分の赤い数字が「売りたい人の希望価格」、下半分の緑の数字が「買いたい人の希望価格」です。
- すぐに買いたい場合:
赤い数字の一番下(最も安い売り値)をタップします。すると、注文画面の「レート」欄にその価格が自動入力されます。 - 安く買いたい場合:
現在の価格よりも低い数字を「レート」欄に手入力します(例:今は1,000万円だけど、950万円と入力)。
手順2:数量を入力する
「注文量」の欄に、欲しいビットコインの枚数を入力します。
(例:0.001 BTC など)
すると、「概算」欄に日本円でいくら必要かが表示されます。自分の持っている日本円の範囲内で調整しましょう。
手順3:注文する
内容を確認して「注文する」ボタンを押します。これで完了です。
注文が成立しない(未約定)時のキャンセルと対処法
「注文したのに、ビットコインが増えていない…」
これは故障ではありません。あなたが指定した「安く買いたい価格」まで、まだ相場が下がっていないため、予約状態で待っているだけです(これを「未約定」と呼びます)。
- そのまま待つ: 価格が下がるのを待ちます。寝て待ってもOKです。
- キャンセルして買い直す:
「やっぱり今すぐ欲しい!」という場合は、画面下の「未約定の注文」リストからキャンセルボタンを押し、改めて現在の価格(板の赤い数字)で注文し直しましょう。キャンセル料はかかりません。
利益を残すための「売り方」手順とタイミング
資産形成で最も難しいのが「いつ売るか」です。
「もっと上がるかも…」という欲や、「損したくない」という恐怖で判断が鈍らないよう、機械的に操作する方法を知っておきましょう。
売り注文を出す基本フロー
買い方と逆の手順を行うだけです。
- 「売り」を選択: 注文画面で「売り」をタップします。
- 価格を決める:
- すぐに売りたい(現金化したい): 緑の数字の一番上(最も高い買い値)をタップ。
- 高く売りたい: 現在より高い価格を「レート」に入力して待つ。
- 数量を決める: 売りたいビットコインの枚数を入力。
- 注文する: ボタンを押して完了。
利益確定と損切りの考え方(感情に流されないために)
取引所を使うメリットは、「事前に売る価格を決めて放置できる」点にあります。
- 利益確定(利確):
「100万円分買ったビットコインが110万円になったら売る」と決めたら、その価格で先に「売り注文(指値)」を出しておきます。仕事中でも寝ていても、その価格になれば自動で売却され、利益が確定します。 - 損切り:
逆に「これ以上下がったら怖い」というラインを決めて売ることも重要ですが、コインチェックの基本機能では「逆指値(ここまで下がったら売る)」は少し高度な設定やツールが必要になる場合があります。初心者のうちは、「相場が急落したら、欲張らずに今の価格で売る(成行に近い売り)」という判断も時には必要です。
相場急変時に「売れない」と焦らないための知識
ニュースなどでビットコインが暴落している時、「売り注文を出したのに全然売れない!」というパニックが起こりがちです。
これは、「誰もその価格で買いたがっていない」状態です。
スーパーで腐りかけた野菜が高値で売れないのと同じで、暴落時には「もっと安くないと買わないよ」という人ばかりになります。
もし急いで売りたいなら、自分が思っている以上に「安い価格(緑の数字のもっと下の方)」を指定しないと、注文は成立しません。「取引所は相手がいて初めて成立する」という基本を忘れないようにしましょう。
販売所と取引所の現実的な使い分けリスト
ここまで「取引所の方がお得」と解説してきましたが、では「販売所」は一切使うべきではないのでしょうか?
実はそうではありません。家計を管理する生活者の視点では、両者を使い分けるのが最も賢い方法です。
販売所が向いているケース
- 「500円」などの少額から始めたい人
お小遣いの範囲で試すなら、ワンコインで買える販売所が手軽です。 - いますぐ買いたい・売りたい時
操作が3タップで終わるため、急いでいる時や、複雑な操作をしたくない時は販売所が便利です。 - 取引所にない銘柄を買いたい時
ビットコイン以外の多くのアルトコインは、アプリ(販売所)でしか買えない場合があります。
取引所が向いているケース
- まとまった資金(数万円〜)で買う時
金額が大きくなればなるほど手数料の差も大きくなるため、絶対に取引所を使うべきです。 - 「安くなったら買う」と決めて待ちたい時
指値注文を使って、計画的に資産形成を進めたい人に向いています。
家計管理視点でのおすすめ使い分け
「毎月1万円ずつ積み立てる」ような場合は、手間のかからない「積立設定(販売所経由)」を利用し、ボーナス時や暴落時にスポットで買い増す場合は「取引所」を使う、というスタイルがおすすめです。
手間とコストのバランスを考えて、自分に合った方法を選びましょう。
取引所を使う前に知っておきたい制限と注意点
最後に、取引所デビューの前に知っておくべき「落とし穴」を共有します。特に資金が少ない時に注意が必要です。
最小取引額(最低注文数量)の壁
これが販売所との最大の違いかもしれません。
販売所は「500円」から買えますが、取引所(特にビットコイン)では「0.005 BTC以上」などの最低数量制限がある場合があります。
仮に 1BTC = 1,000万円 だとすると、0.005 BTC は「5万円」です。
つまり、「5万円分以上買わないと注文が出せない」というケースがあり得ます。
※最低数量は時期や銘柄によって異なりますが、「数千円〜数万円」のまとまった資金が必要になることが多いと覚えておきましょう。
流動性が低いと起きること
参加者が少ない(流動性が低い)タイミングだと、板に注文がスカスカの状態になることがあります。
この時に焦って成行に近い注文を出すと、相場より極端に高い値段で買ってしまったり、安く売ってしまったりするリスクがあります。「板の数字が少ないな」と思ったら、無理に注文せず様子を見るのも投資です。
まとめ|コインチェック取引所は「慣れたら使う」でOK
最初は「板」や「指値」という言葉に戸惑うかもしれません。しかし、一度使ってみれば「フリマアプリで値段交渉して買う」のと感覚はそう変わりません。
本記事の要点
- アプリ(販売所)は手数料が高めだが、500円から簡単に買える。
- 取引所(ブラウザ)は手数料を抑えられるが、ある程度のまとまった資金が必要。
- まずはアプリで慣れて、投資金額が増えてきたらブラウザ(取引所)に挑戦するのが王道ルート。
無理に最初から取引所を使う必要はありません。まずは少額で「ビットコインを持つ」という体験から始めてみてはいかがでしょうか。