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新NISAのキホン|何が変わった?旧NISAとの違いをやさしく整理

「将来のために何か始めなきゃ…でも、新NISAって結局何が変わったの?」

テレビやSNSで話題になっても、制度の仕組みが複雑で、一歩を踏み出せずにいる人は少なくありません。「よく分からないまま始めて、後で損をしたくない」と考えるのは当然のことです。

読者から寄せられる声の中には、Aさん(30代会社員)のように「旧NISAとの違いが分からず、手続きが面倒で放置してしまっている」というケースも目立ちます。しかし、2024年に始まった新NISAは、これまでの制度よりも格段に使いやすく、個人の資産形成において避けては通れない選択肢となっています。

この記事では、新NISAの「キホン」と、知らないと損をする「旧制度との違い」に絞って、投資初心者の方にも分かりやすく解説します。

そもそも新NISAとは?ざっくり全体像

まずは、細かい数字の話をする前に「新NISAとは何のための制度なのか」という全体像を整理します。

新NISAは「投資の非課税制度」

NISA(ニーサ)を一言で説明すると、「投資で得た利益に税金がかからない、お得な口座」のことです。

通常、株式や投資信託で利益が出ると、その約20%が税金として引かれます。例えば、投資で10万円の利益が出ても、手元に残るのは約8万円です。
しかし、NISA口座を使って投資をすれば、この税金がゼロになり、利益の10万円をそのまま受け取ることができます。

国がこの制度を用意した背景には、「人生100年時代」を見据え、個人の自助努力による資産形成を後押ししたいという狙いがあります。銀行預金だけでは資産が増えにくい今、税金を免除することで、より効率的にお金を増やせるようにした仕組みです。

Note:
NISAはあくまで「口座(枠)」の名前です。中身に入れる商品(投資信託など)は自分で選ぶ必要があります。

2024年から何が変わったのか

NISA自体は2014年からありましたが、2024年1月に制度が大幅にリニューアルされ、通称「新NISA」と呼ばれるようになりました。
改正のポイントは、「期間限定のお試し制度」から「一生使える恒久的な制度」へと進化した点にあります。

以前の制度(旧NISA)では、「非課税でいられる期間」や「投資できる期間」に制限がありました。これが新NISAでは撤廃され、いつでも始められて、いつまででも非課税で持ち続けられるようになりました。
「制度が終わるから急いで始めなきゃ」と焦る必要がなくなり、自分のペースで活用できるようになったのが最大の特徴です。

新NISAは誰のための制度?

「投資なんてお金持ちがやるものでしょ?」というイメージを持つ方もいますが、新NISAはむしろ「これから資産を作っていきたい一般の現役世代」のために設計されています。

少額(月100円〜1,000円程度)から始められるネット証券も多く、まとまった資金がなくてもスタートできます。特に、教育費や老後資金など、将来必要になるお金を時間をかけて準備したい子育て世代にとって、非常に相性の良い制度と言えます。

旧NISAと何が違う?一番大きな変更点

「旧NISAと何が違うの?」という疑問に対し、特に重要な変更点を比較してみましょう。以前の制度で挫折した人も、ここだけ押さえれば大丈夫です。

制度の違いを一気に比較

項目 旧NISA(つみたてNISA) 新NISA(現在)
制度の期間 2023年まで(終了) 恒久化(ずっと続く)
非課税期間 20年間 無期限
年間の投資枠 40万円 つみたて枠:120万円
成長枠:240万円
生涯の投資枠 800万円 1,800万円
併用 一般NISAと選択制 2つの枠を併用OK
売却後の枠 復活しない 翌年に復活する

※出典:金融庁「NISAを知る」より筆者作成

旧NISAでは「一般NISA」と「つみたてNISA」のどちらか一つしか選べませんでしたが、新NISAではこれらが一本化され、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方を同時に使えるようになりました。

非課税期間が「無期限」になった影響

もっとも大きなメリットは、非課税期間が「無期限」になったことです。

旧つみたてNISAでは「20年間」という期限があったため、「20年後に暴落していたらどうしよう」という不安がありました。しかし、新NISAでは期限がないため、もし相場が悪くても、回復するまで何年でも持ち続けることができます。
「いつ売ればいいか」という期限のプレッシャーから解放され、家計の状況に合わせていつでも売却の判断ができるようになったのは、投資初心者にとって大きな安心材料です。

非課税枠が増えたけど注意点もある

年間に投資できる金額(非課税枠)も大幅に増えました。
旧つみたてNISAでは年間40万円(月額約3.3万円)が上限でしたが、新NISAの「つみたて投資枠」では年間120万円(月額10万円)まで可能です。さらに「成長投資枠」も合わせると、年間最大360万円まで投資できます。

ただし、ここで注意したいのは「枠が増えたからといって、無理に投資額を増やす必要はない」ということです。
枠が余っていてもペナルティはありません。「月1万円」や「月3万円」など、家計に無理のない範囲で続けることが、資産形成を成功させる一番のコツです。

出典

新NISAの「2つの投資枠」をどう理解するか

新NISAの仕組みで特につまずきやすいのが、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠の存在です。
「どっちを使えばいいの?」「両方やらないと損?」と迷ってしまう方も多いですが、それぞれの役割を知ればシンプルに判断できます。

つみたて投資枠とは

「つみたて投資枠」は、その名の通り「長期・積立・分散」投資に適した枠です。
旧制度の「つみたてNISA」の後継にあたり、金融庁が定めた「長期投資に適している」という厳しい基準をクリアした投資信託だけが対象となっています。

  • 対象商品: 金融庁の基準を満たした投資信託(手数料が低く、シンプルなものが多い)
  • 投資方法: 積立のみ(毎月決まった日に、決まった金額を買う)
  • 向いている人: 投資初心者、手間をかけずに資産形成したい人

これから資産形成を始める人の多くは、まずこの枠を使って、全世界株式や米国株式などのインデックスファンドを積み立てることからスタートするのが一般的です。

成長投資枠とは

一方、「成長投資枠」は、より幅広い商品から選べる自由度の高い枠です。
名前から「成長しそうな企業(ハイリスクな株)を買わなければいけない」と誤解されがちですが、実際はそんなことはありません。

  • 対象商品: 上場株式、ETF(上場投資信託)、多くの投資信託など
  • 投資方法: 積立もできるし、一括購入(スポット購入)も可能
  • 向いている人: 個別株や配当金狙いの投資をしたい人、つみたて投資枠の上限(年120万円)を超えて投資したい人

重要なのは、「つみたて投資枠と同じ商品」をこの成長投資枠で買うことも可能(※一部対象外あり)という点です。つまり、あえて難しい株を選ばなくても、慣れ親しんだ投資信託を買い増すための枠として使うこともできます。

2つの枠は「両方使わなくていい」

ここで最も強調しておきたいのは、「無理に両方の枠を使う必要はない」ということです。

制度上は併用可能ですが、家計管理の視点では、枠を埋めることよりも「長く続けられること」の方がはるかに重要です。
特に投資初心者の場合、まずは「つみたて投資枠」だけで月々の積立設定を行い、家計に余裕ができたり、投資に慣れてきたりしてから「成長投資枠」の利用を検討する、というステップで全く問題ありません。枠が余っていても、それは「将来使える権利」として残しておけば良いのです。

新NISAを始める前に知っておきたい注意点

メリットばかりが強調されがちな新NISAですが、投資である以上、必ずリスクや注意点が存在します。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、始める前に以下の3点を必ず確認しておきましょう。

元本保証ではない

銀行預金との決定的な違いは、「元本割れ(投資した金額より減ること)のリスクがある」という点です。
どんなに優秀な投資信託を選んでも、世界情勢や経済の悪化によって、一時的に資産価値が半分近くまで下落する可能性はゼロではありません。

「長期で見れば増える可能性が高い」というのはあくまで過去のデータに基づいた傾向であり、将来を約束するものではありません。「減ることもある」という前提で、生活に支障のない余剰資金で取り組む姿勢が不可欠です。

「やらないと損」ではない

SNSなどでは「新NISAをやらないなんて信じられない」「機会損失だ」といった強い言葉を見かけることがあります。しかし、これに焦って飛びつくのは危険です。

制度はあくまで道具に過ぎません。家計の状況やライフプランは人それぞれ異なります。「制度を使わないと損をする」のではなく、「自分の目的に合わない使い方をして資産を減らすこと」こそが本当の損です。周囲の声に流されず、「自分はなぜ投資をするのか」という軸を持つことが大切です。

家計が不安定な状態で始めるリスク

「貯金がほとんどないけれど、新NISAを始めたい」という相談もよく聞かれますが、これはおすすめできません。

人生には、病気や失業、車の故障など、急に現金が必要になるタイミングがあります。その時に手元に現金がなく、NISA口座にお金が入っていると、相場が暴落して資産が減っているタイミングであっても、泣く泣く売却して現金化しなければならない事態に陥ります。これでは、資産を増やすどころか大きく減らして終わってしまいます。

まずは「生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分程度の現金)」を確保し、家計の土台を固めてからスタートするのが、遠回りのようで最も堅実な道です。

出典

新NISAのキホンを理解したら次に考えること

新NISAの仕組み自体は、実はそれほど複雑ではありません。「期限を気にせず、非課税で長く投資ができる箱」になっただけです。
しかし、制度を理解したからといって、すぐに「自分にとって正解の投資」ができるとは限りません。

制度理解と家計設計は別問題

よくある失敗が、制度の「お得さ」ばかりに目が行き、自分の「ライフプラン」を置き去りにしてしまうことです。

  • 制度上は「最短5年で枠を埋める」ことが理論上最も効率的と言われます。
  • しかし、現実にそれをやって生活がカツカツになっては本末転倒です。

「制度が良いこと」と「今、自分がリスクを取って投資すべきか」は全く別の問題です。車の運転方法(NISAの仕組み)を覚えたら、次は目的地とルート(家計の目標と予算)を決める必要があります。

教育費・生活費とどう両立させるか

特に子育て世帯の場合、「数年後に確実に必要になるお金(入学金など)」と「老後まで使わないお金」を明確に分ける必要があります。
新NISAは便利な制度ですが、あくまで投資です。使う予定が近いお金を投資に回してしまうと、いざ使う時に暴落していて資金が足りなくなるリスクがあります。

「どの資金をNISAに回し、どの資金を現預金で守るか」。このバランス感覚こそが、長く資産形成を続けるための鍵となります。

次に読むべき記事の案内

新NISAの「キホン」を押さえた後は、具体的な「活用法」へステップアップしましょう。
「子育て世帯は月いくら積み立てるのが正解?」「教育費はNISAで準備してもいいの?」といった、より実践的な疑問については、以下の記事で詳しく解説しています。

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